店長代理と世界一かわいい王子様 ~コーヒー一杯につき伝言一件承ります~
ウィリアムから用命を受けた衛兵は、先日イヴの伝言を介して想い人とのすれ違いを解消したオズ・ウィンガーだ。
彼は晴れて恋仲となった侍女のニコル・ハイドンと同棲を始めている。
ニコルとともに縁談を断りに行った足でハイドン家を訪ね、彼女の父親から鉄拳を食らって二人とも追い出されたらしいが、母親の方はこっそり彼らの仲を応援してくれているという。
さすがにしょんぼりとして連行されていくダミアンから早々に目を逸らすと、ウィリアムはイヴに向き直った。
「イヴ、びっくりしたな……大丈夫か?」
「はい……」
「今さっきの会議に出席していた大臣の一人が、午後のお茶の時間にカフェ・フォルコで一悶着あったらしいと教えてくれてな。気になって見にきて正解だった」
「はい……」
なお、ウィリアムの頭の上にはフサフサの耳が飛び出たままなので、イヴの意識はそちらに釘付けである。
キラキラしたコーヒー色の瞳に凝視されつつ、ダミアンに掴まれてよれてしまった彼女の襟元のリボンを結び直してやるウィリアムだったが、騒動の顛末を知ったとたん、再び兄役の顔になった。
彼は晴れて恋仲となった侍女のニコル・ハイドンと同棲を始めている。
ニコルとともに縁談を断りに行った足でハイドン家を訪ね、彼女の父親から鉄拳を食らって二人とも追い出されたらしいが、母親の方はこっそり彼らの仲を応援してくれているという。
さすがにしょんぼりとして連行されていくダミアンから早々に目を逸らすと、ウィリアムはイヴに向き直った。
「イヴ、びっくりしたな……大丈夫か?」
「はい……」
「今さっきの会議に出席していた大臣の一人が、午後のお茶の時間にカフェ・フォルコで一悶着あったらしいと教えてくれてな。気になって見にきて正解だった」
「はい……」
なお、ウィリアムの頭の上にはフサフサの耳が飛び出たままなので、イヴの意識はそちらに釘付けである。
キラキラしたコーヒー色の瞳に凝視されつつ、ダミアンに掴まれてよれてしまった彼女の襟元のリボンを結び直してやるウィリアムだったが、騒動の顛末を知ったとたん、再び兄役の顔になった。