店長代理と世界一かわいい王子様 ~コーヒー一杯につき伝言一件承ります~
「イヴ、何でもかんでも伝えればいいというものではないと言っただろう。他人の痴話喧嘩になど首を突っ込むんじゃない」
「はい、おっしゃる通りです。でも……」
「でも?」
「知らなかったとはいえ、私はヴェロニカさんへの伝言を請け負うことで浮気の片棒を担ぎ、リサさんを傷つけてしまいました」
イヴの存在が、ダミアンの二股を成立させたともいえる。
その結果、浮気相手にされてしまったヴェロニカもまた嫌な思いをしただろう。
「その贖罪のためにも、私には彼女達からの決別をダミアンさんに伝える義務があると思ったんです」
「私は、イヴに非があるとは微塵も思わないがな。むしろ、君を巻き込んだダミアンへの怒りが増すだけだ」
「私もダミアンさんには思うところがありますので、見事にふられてぺしゃんこになるのを目の前で見られてせいせいしました」
「そっちが本音かな?」
とたん、ぐっと親指を突き上げたイヴを見て、ウィリアムは額に手を当てる。
すると、イヴがしばしの逡巡の後に続けた。
「ウィリアム様、伝言がございます」
「……またか」
どうせまた侍女達からの、笑顔くれだの手を振ってだの結婚してだのといった冗談まじりの伝言だろう。
そう思ったウィリアムはうんざりとした顔をしかけたが……
「はい、おっしゃる通りです。でも……」
「でも?」
「知らなかったとはいえ、私はヴェロニカさんへの伝言を請け負うことで浮気の片棒を担ぎ、リサさんを傷つけてしまいました」
イヴの存在が、ダミアンの二股を成立させたともいえる。
その結果、浮気相手にされてしまったヴェロニカもまた嫌な思いをしただろう。
「その贖罪のためにも、私には彼女達からの決別をダミアンさんに伝える義務があると思ったんです」
「私は、イヴに非があるとは微塵も思わないがな。むしろ、君を巻き込んだダミアンへの怒りが増すだけだ」
「私もダミアンさんには思うところがありますので、見事にふられてぺしゃんこになるのを目の前で見られてせいせいしました」
「そっちが本音かな?」
とたん、ぐっと親指を突き上げたイヴを見て、ウィリアムは額に手を当てる。
すると、イヴがしばしの逡巡の後に続けた。
「ウィリアム様、伝言がございます」
「……またか」
どうせまた侍女達からの、笑顔くれだの手を振ってだの結婚してだのといった冗談まじりの伝言だろう。
そう思ったウィリアムはうんざりとした顔をしかけたが……