店長代理と世界一かわいい王子様 ~コーヒー一杯につき伝言一件承ります~
「ウィリアム様……メイソン公爵閣下が議席を剥奪されてしまうというのは、本当でございましょうか?」
「──ロメリア」
とたん、ウィリアムは妹を鋭い目で見据える。
しかし、本日の会議決定を喋ったであろう犯人は、べっと舌を出して応えた。
それを庇うように、ルーシアがおずおずと口を開く。
「ロメリア様に教えていただくまでもないことです。あの父には当然の報い、自業自得。ざまあみろってんです」
「……これは闇が深そうだな。何の落ち度もない君にまで影響が及ぶのは、我々としても非常に心苦しいのだが」
「私はいっこうにかまいません。むしろ、よくぞ一年も待っていただけたものだと思っておりますもの」
「そうか……」
聡明なルーシアは、すでに覚悟を決めていた。
父がやらかした上に義務を放棄するようになって一年の節目を迎える今日の会議で、ついに審判が下されるであろうこと。
そして、その決定が明日にはメイソン公爵家に伝えられるであろうことも。
「きっと父は議会の決定に反発し、みっともなく騒ぐでしょう……」
「ルーシアさん……」
「ルーシア……」
ぐっと俯いてそう呟くルーシアに、イヴとロメリアが左右からしがみ付いた。
オオカミのモフモフの手も、彼女達を抱き返す。
「──ロメリア」
とたん、ウィリアムは妹を鋭い目で見据える。
しかし、本日の会議決定を喋ったであろう犯人は、べっと舌を出して応えた。
それを庇うように、ルーシアがおずおずと口を開く。
「ロメリア様に教えていただくまでもないことです。あの父には当然の報い、自業自得。ざまあみろってんです」
「……これは闇が深そうだな。何の落ち度もない君にまで影響が及ぶのは、我々としても非常に心苦しいのだが」
「私はいっこうにかまいません。むしろ、よくぞ一年も待っていただけたものだと思っておりますもの」
「そうか……」
聡明なルーシアは、すでに覚悟を決めていた。
父がやらかした上に義務を放棄するようになって一年の節目を迎える今日の会議で、ついに審判が下されるであろうこと。
そして、その決定が明日にはメイソン公爵家に伝えられるであろうことも。
「きっと父は議会の決定に反発し、みっともなく騒ぐでしょう……」
「ルーシアさん……」
「ルーシア……」
ぐっと俯いてそう呟くルーシアに、イヴとロメリアが左右からしがみ付いた。
オオカミのモフモフの手も、彼女達を抱き返す。