すずらんを添えて 幸せを
第一章 幼なじみ
「尊ー!尊ってば。みーこーとー!」
大きな声で玄関の向こうに呼びかけながら、私は隣の杵野家のインターフォンを、肘でピポピポーン!と連打する。
本当なら門扉を開けて、小さなポーチに面した尊の部屋の窓をガラッと開けてやりたいけれど、両手でシチューの鍋を持っている為、仕方なくこうして門の外で声をかけているという訳だ。
「尊!いるのは分かってるのよ。開けなさいってば!」
「あー、もう、うるさい!」
ガラリと自分の部屋の窓を開けた尊が、ボサボサ頭で顔を覗かせた。
「は?まさか、寝てたの?」
私は思わずポカンとする。
現在、時刻は18時半だ。
この時間に寝ているとは?
めちゃくちゃ早寝のおじいちゃん?
「玄関開いてんだから、いつもみたいに勝手に入って来ればいいだろ?」
ほとんど目を閉じたままそう言うと、尊はまたベッドに戻ろうとする。
「相変わらず不用心ね。そうしたいけど、手がふさがってるの!いいから、早く開けてよ」
仕方ないな…と呟いて、尊は部屋を出る。
しばらくすると、ようやくガチャッと玄関が開いて、Tシャツと短パン姿の尊が現れた。
背は高いし、普通にしていればまあまあかっこいいけれど、今は寝起きでひどい有様だ。
「お邪魔します!」
私はタタッとポーチの段差を上がり、玄関に入ると、後ろ向きに靴を脱いでキッチンへと向かう。
鍋をコンロに置いてようやく手が自由になると、尊を振り返った。
大きな声で玄関の向こうに呼びかけながら、私は隣の杵野家のインターフォンを、肘でピポピポーン!と連打する。
本当なら門扉を開けて、小さなポーチに面した尊の部屋の窓をガラッと開けてやりたいけれど、両手でシチューの鍋を持っている為、仕方なくこうして門の外で声をかけているという訳だ。
「尊!いるのは分かってるのよ。開けなさいってば!」
「あー、もう、うるさい!」
ガラリと自分の部屋の窓を開けた尊が、ボサボサ頭で顔を覗かせた。
「は?まさか、寝てたの?」
私は思わずポカンとする。
現在、時刻は18時半だ。
この時間に寝ているとは?
めちゃくちゃ早寝のおじいちゃん?
「玄関開いてんだから、いつもみたいに勝手に入って来ればいいだろ?」
ほとんど目を閉じたままそう言うと、尊はまたベッドに戻ろうとする。
「相変わらず不用心ね。そうしたいけど、手がふさがってるの!いいから、早く開けてよ」
仕方ないな…と呟いて、尊は部屋を出る。
しばらくすると、ようやくガチャッと玄関が開いて、Tシャツと短パン姿の尊が現れた。
背は高いし、普通にしていればまあまあかっこいいけれど、今は寝起きでひどい有様だ。
「お邪魔します!」
私はタタッとポーチの段差を上がり、玄関に入ると、後ろ向きに靴を脱いでキッチンへと向かう。
鍋をコンロに置いてようやく手が自由になると、尊を振り返った。
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