【女の事件】黒いマタニティドレス
第13話
こうじは、まさみさん夫婦の仲人でむつみさんと結婚した…

赤ちゃんが生まれて家族が増えた…

やっと人並みの暮らしができる…と思っていたら、深刻な問題が発生した。

むつみさん…いいえ、むつみは過去に取り返しのつかないあやまちを犯していたことが明らかになった。

この時、結婚生活がハタンするおそれが出たようだ。

むつみは、14年前に最初の夫と結婚したが夫婦仲が激悪だったので1年以内にリコンした。

リコンの原因は、夫がよその女…それも、やくざの組長《おやぶん》の女《レコ》にてぇつけたことであった。

むつみの元夫は、むつみと結婚してから数ヶ月後にやくざの拳銃《チャカ》で命《ドタマ》ぶち抜かれて殺された。

ダンナが殺された翌日から、むつみはテレクラ店に行くようになった。

むつみは、テレクラで見つけた男をつまみ食いしたことが原因でレイプなどの被害を受けた…

…が、むつみは、そんなことはおかまいなく男をあさりまくった。

むつみが過去に男がらみのトラブルを起こしていた…と言うことをこうじはまったく知らなかった。

この時点で、ふたりは結婚生活を継続することがコンナンになった。

さらにそのまた上に、より深刻な問題がまさみさん…いいえ、まさみ夫婦の家にあった。

まさみ夫婦は、10年前にまさみのダンナの親族からの命令で再婚した。

まさみにはひとり娘(14歳・吉海の中学校の生徒)がいた。

まさみの夫・祝行《のりゆき》(55歳・開業医の院長)には長女(27歳・大学院生)と長男の祝弘《のりひろ》20歳・大学生)のふたりのツレゴがいた。

問題の元凶《もと》は、祝弘《のりひろ》にあった。

祝弘《のりひろ》は、祝行《のりゆき》がより強くすすめていた愛大医学部《じもとのいだい》に進学することを強く拒否して東日本にある三流以下のフツーの大学を選んだ。

家のカネを使いたいホーダイ…

住まいは、都心から電車で30分圏内にある豪華タワマンの一番眺めのいいペントハウスタイプで家賃15万9800円の部屋…

勉強はそっちのけで、女子大生《おんな》とチャラチャラしてばかりいる…

その上に、出席日数が0だからなお悪いようだ!!

だから祝弘《のりひろ》は、ケーサツざたになった。

祝弘《のりひろ》が大学に入学してから3日後のことであった。

カレは、大学の先輩に誘われて合コンに行った。

祝弘《のりひろ》は合コンで知りあった女子大生とお付き合いを始めたが、その際にもめ事を起したようだ。

女子大生さんが別の男性と腕を組んで歩いていたのを見た祝弘《のりひろ》は、男性に殴りかかった。

祝弘《のりひろ》に殴られた男性は、全治8〜10ヶ月の大ケガを負った。

祝弘《のりひろ》は、合コンで知り合った女子大生さんに対してストーカーをするようになった。

女子大生さんは、家族とともに警察署へ助けを求めに行ったが忙しかったのでやめにした。

ケーサツは信用できないと判断した女子大生さんの家族は、父親の知人(模範的な人)に頼んだ。

祝弘《のりひろ》は、女子大生さんの父親の知人から『吉海《しま》へ帰りなさい!!』と厳しく命令された。

2012年7月20日頃、祝弘《のりひろ》は命令通りに吉海の実家に帰宅した。

同時に、大学から無期限キンシン処分を喰らった。

その日の夕食時であった。

家の食卓には、祝行《のりゆき》まさみ夫婦と祝弘《のりひろ》とまさみの連れ子のあいがいた。

テーブルの上には、ゆでた豚肉がたくさん入っているサラダが入っている大きめの容器がまん中に置かれていた。

その周囲に小皿が並んでいた。

祝行《のりゆき》は、祝弘《のりひろ》に対してより厳しい声で言うた。

「祝弘《のりひろ》!!オドレは大学でなにしていたのだ!!なんでアイダイの医学部へ行くことを拒否した!?医師《いしゃ》の子は、どんなに言うても卒業後の進路は医師《いしゃ》だと決まっているのだ!!オドレの就職先は医師《いしゃ》だ!!」

まさみは、困った声で祝行《のりゆき》に言うた。

「あなたやめて…祝弘《のりひろ》さんが犯したあやまちについては、(女子大生)さまのご両親の知人さまが問題をおさめてくださったのよ…それよりも、祝弘《のりひろ》さんの今後の人生設計を…」
「祝弘《のりひろ》は医師《いしゃ》の子だから人生設計を立てる必要ない!!…祝弘《のりひろ》にこの家を継いでほしいのだよ!!」
「あなた!!」
「テイシュに口答えするな!!祝弘《のりひろ》は医師《いしゃ》の子だから医師《いしゃ》しかないのだ!!」

祝行《のりゆき》に怒鳴られた祝弘《のりひろ》は、ものすごく怒った表情で席を立った。

まさみは、困った声で祝弘《のりひろ》に言うた。

「祝弘《のりひろ》さん…」
「ふざけるな!!オレに人生を選択する権利はないと言いたいのか!?」
「そんなことは言うてないわよ…おとーさんは、祝弘《のりひろ》さんに開業医《このいえ》を継いでほしいから…」
「オレはこの家を継ぐのはイヤだ!!」
「それじゃあどうしたいのよ!?」
「医師《いしゃ》の子は医師《いしゃ》しかないのかよ!!」
「そんなことは言うてないわよ〜」
「アイダイ医学部へ行くのはイヤだ!!」
「祝弘《のりひろ》!!」

祝行《のりゆき》に怒鳴られた祝弘《のりひろ》は、鋭い目つきでにらみつけながら言うた。

「オレはアイダイ医学部へテンガクすることを拒否する…そんなに継いでほしいのであればムコとれよ!!ムコとれよ!!」
「祝弘《のりひろ》さん…」
「むしゃくしゃするからのみにいく…オドレクソオヤジ!!」

(ガツーン!!ガツーン!!)

祝弘《のりひろ》は、祝行《のりゆき》のこめかみをグーで殴りつけたあと家から出て行った。

その翌日の昼前であった。

祝弘《のりひろ》は、吉海町内《ちょうない》の商店街にある居酒屋でひと晩いたあとあちらこちらを歩き回った。

この時、祝弘《のりひろ》はむつみの夫婦が暮らしている家の前を通りかかった。

祝弘《のりひろ》は、幼稚園の時に大好きだったむつみと再会した。

「むつみ先生…」
「あら、あなたは…祝弘《のりひろ》くん…」
「先生…」

むつみと再会した祝弘《のりひろ》は、むつみのふくよかな乳房《むね》に抱きついた。

そして、オイオイオイオイ…と泣き出した。

その後、むつみは祝弘《のりひろ》を家の中に入れた。

家の居間にて…

祝弘は、むつみに今の心境を話した。

キンシン処分を喰らったので、大学に行けなくなった…

家族と不仲になった…

両親は、義妹《いもうと》ばかりを過度にえこひいきしている…

だから、家族たちと仲良く暮らしていくことができない…

むつみは、オイオイオイオイと泣いてばかりいる祝弘《のりひろ》に同情した…

…ので、気持ちがゆるんだ。

むつみの優しさにふれた祝弘《のりひろ》は、むつみの身体《からだ》をむさぼった。

これにより、祝弘《のりひろ》がタラクした。

それから数日後であった。

むつみは、こうじが不在の時に祝弘《のりひろ》を家に呼んだ。

ふたりは、ベッドの上で全裸《はだか》になって抱き合っていた。

この時、むつみは育児をなまけるようになった。

こうじは、近所の人からむつみが若い男を家の中に連れ込んでいると言う話を聞いた。

むつみと抱き合っていた若い男がまさみ夫婦のドラムスコであったことを聞いたこうじは、激怒した。

激怒したこうじは、このあとより過激な行動に踏み切ったようだ。

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