くの一反省帖2〜カステラが待ってる〜
「平尾…お主…この者どもの意見を真に受けたか?」

くの一に懲りてる十兵衛は常に疑ってかかる。

彼なりの処世術であるのだが…

「真に受けるというか…確かに鴻池屋に関しては良からぬ噂もございますし…調べる価値は、あると思います…それにバテレンの方ですが…当主を殺された店で奉公していた者の消息が掴めておりませぬ。もしやバテレンとして息を潜め仇討ちの機会を探っていたとも考えられます」

くの一任せを自身の方針に変更すると心に誓った平尾

他人に任せる事を前提に喋ってるせいか実に滑らかに口が動く。
< 206 / 243 >

この作品をシェア

pagetop