くの一反省帖2〜カステラが待ってる〜
そんな使い捨てにされる運命だとは、思いもしない"さぶ"は鍛え上げた肉体のポージングで上腕二等筋を隆起させながら

「お嬢さん方…市役所に着きやしたぜ」

と道案内の大役を無難にこなした。

「んで…こんなトコ来て何すんの?」

ただ着いて来ただけの狭霧は目的ってものを何一つ知らない。

「土地の登記簿から鴻池屋の悪業を暴くのよ!」

と力強く宣言するものの…

「問題は…頭の固いお役所勤めのおっさん連中が素直に見せてくれるか…だね」

こういう時に十兵衛が役に立たんのが白雪にとっての誤算とも言える。
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