この悲しみも。……きっといつかは消える
ところがそうこうしている内に、信じられないことに弟のレイウッド伯爵までが、兄と同時期に領地で亡くなったと聞いた。
これでもうアダムス家とは完全に縁が切れたメラニーを、エリンがこのまま手元で育てるか、それとも施設に預けるか決めかねていたところ……
マリー・ギルモアがローラの地元の孤児院のシスターから連絡が来たと言ってきた。
シスターはローラの忘れ形見を、引き取りたいと言ってきているらしい。
マリーが口にしたシスターマギーの名前は、母のようなひとだったと、ローラからも聞いていた。
「わたしも、もう地元へ帰ります。
メラニーのことは、ちゃんと送り届けます」
正直……そう言ってくれて、有り難かった。
メラニーのことを邪魔にしていたわけではないが、もて余していたのは事実だ。
エリンは独身主義者で、夫も子供も持つつもりはなかったし、子育てが上手く出来るとも思えない。
実際は子守に任せれば良いのだからと、楽天的に考えられないのがエリンの性格だった。
それで『メラニーが孤児院を出る15歳になったら、わたしがまた引き取ります』と書いたシスター宛の手紙を添えて。
マリーに、多めに旅費と孤児院への寄付金を渡した。
胸に燻る罪悪感を誤魔化すように。
これでもうアダムス家とは完全に縁が切れたメラニーを、エリンがこのまま手元で育てるか、それとも施設に預けるか決めかねていたところ……
マリー・ギルモアがローラの地元の孤児院のシスターから連絡が来たと言ってきた。
シスターはローラの忘れ形見を、引き取りたいと言ってきているらしい。
マリーが口にしたシスターマギーの名前は、母のようなひとだったと、ローラからも聞いていた。
「わたしも、もう地元へ帰ります。
メラニーのことは、ちゃんと送り届けます」
正直……そう言ってくれて、有り難かった。
メラニーのことを邪魔にしていたわけではないが、もて余していたのは事実だ。
エリンは独身主義者で、夫も子供も持つつもりはなかったし、子育てが上手く出来るとも思えない。
実際は子守に任せれば良いのだからと、楽天的に考えられないのがエリンの性格だった。
それで『メラニーが孤児院を出る15歳になったら、わたしがまた引き取ります』と書いたシスター宛の手紙を添えて。
マリーに、多めに旅費と孤児院への寄付金を渡した。
胸に燻る罪悪感を誤魔化すように。