この悲しみも。……きっといつかは消える
それは、ミルドレッドが居たから。
伝えられた言葉だ。
訪ねてきたのが、ジャーヴィスと自分だけだったなら。
多分、エリンは言わなかった。
エリンから伝えられたスチュワートの言葉を聞いて、静かに涙を流したミルドレッド。
きっと彼女は、夫からの愛を改めて受け取ったのだろう。
「やはり、まだ勝てそうもないな……」
スチュワートには、まだ勝てない。
16の頃から8年だからな。
イアンがこぼしてしまった苦笑に、ジャーヴィスが尋ねる。
「何の話だ?
勝算はこちらのものだろ?」
「……別の話だ」
今は、今はまだ。
イアンは、自分がミルドレッドに何も言えないと、弁えている。
それならせめて、この件は最後まで関わらせて欲しい。
レストラン入口のガラス張りのドアが開く。
迎えに行かせた馬車に乗って、やって来たマリーが店内に居た男ふたりの姿にたじろぐ。
多忙なエリン・マッカートニー本人が来るとでも思っていたのか。
でも、それは一瞬で。
マリーは、美形のふたりに媚びた笑顔を見せた。
「わ、わたしローラ・フェルドンだけど……
貴方達、エリンさんの?
ここで合ってる?」
伝えられた言葉だ。
訪ねてきたのが、ジャーヴィスと自分だけだったなら。
多分、エリンは言わなかった。
エリンから伝えられたスチュワートの言葉を聞いて、静かに涙を流したミルドレッド。
きっと彼女は、夫からの愛を改めて受け取ったのだろう。
「やはり、まだ勝てそうもないな……」
スチュワートには、まだ勝てない。
16の頃から8年だからな。
イアンがこぼしてしまった苦笑に、ジャーヴィスが尋ねる。
「何の話だ?
勝算はこちらのものだろ?」
「……別の話だ」
今は、今はまだ。
イアンは、自分がミルドレッドに何も言えないと、弁えている。
それならせめて、この件は最後まで関わらせて欲しい。
レストラン入口のガラス張りのドアが開く。
迎えに行かせた馬車に乗って、やって来たマリーが店内に居た男ふたりの姿にたじろぐ。
多忙なエリン・マッカートニー本人が来るとでも思っていたのか。
でも、それは一瞬で。
マリーは、美形のふたりに媚びた笑顔を見せた。
「わ、わたしローラ・フェルドンだけど……
貴方達、エリンさんの?
ここで合ってる?」