この悲しみも。……きっといつかは消える
現状では領主の未亡人であるミルドレッドの方が地位は上だと指摘され、リチャードは黙るしかなかった。
スチュワートの叔父とは言え、分家は分家だ。
「もうひとりの義妹?」
不満気だが、無言になったリチャードの代わりに、レナードが恐る恐るジャーヴィスに尋ねた。
こんな雰囲気の彼は初めてだった。
ジャーヴィスはアダムスに来ると、いつも口数少なく穏やかに接していてくれていたのに。
「マリー・マーチ。
ここでは、ローラ・フェルドンを名乗っていたみたいですが。
彼女はマーチ家の養女になって、ミルドレッドの義姉になりました。
それでウィンガムなら誰でもいいと言ったレナード卿、貴方との婚姻を命じる新たな王命を先日受け取りました。
花嫁の実家だから、私の方が知らせを受け取るのが早かったようですね。
ミルドレッドとの再婚の取り消し命令は、まだ届いていませんか?」
それを告げられたアダムス側の3人は、ジャーヴィスが言った内容を、直ぐには理解出来ないようだった。
反対に告げた側の3人、ミルドレッドは無表情だったが。
ジャーヴィスとイアンは、その顔に緩く微笑みを貼り付けていた。
スチュワートの叔父とは言え、分家は分家だ。
「もうひとりの義妹?」
不満気だが、無言になったリチャードの代わりに、レナードが恐る恐るジャーヴィスに尋ねた。
こんな雰囲気の彼は初めてだった。
ジャーヴィスはアダムスに来ると、いつも口数少なく穏やかに接していてくれていたのに。
「マリー・マーチ。
ここでは、ローラ・フェルドンを名乗っていたみたいですが。
彼女はマーチ家の養女になって、ミルドレッドの義姉になりました。
それでウィンガムなら誰でもいいと言ったレナード卿、貴方との婚姻を命じる新たな王命を先日受け取りました。
花嫁の実家だから、私の方が知らせを受け取るのが早かったようですね。
ミルドレッドとの再婚の取り消し命令は、まだ届いていませんか?」
それを告げられたアダムス側の3人は、ジャーヴィスが言った内容を、直ぐには理解出来ないようだった。
反対に告げた側の3人、ミルドレッドは無表情だったが。
ジャーヴィスとイアンは、その顔に緩く微笑みを貼り付けていた。