この悲しみも。……きっといつかは消える
第40話
イアンが事情を話すと言ったので、リチャードは慌てて家令のハモンドに席を外すように命じた。
ミルドレッドから聞いた話では、アダムスの使用人達は、スチュワートの両親の離婚後全て入れ替えられたと言う。
ハモンドとて、一族の男だ。
本家に双子が誕生した場合の処理の仕方は知っているはずだ。
それなのに、ここまで秘密主義を貫くのは、何故なんだ。
イアンは、リチャードの面の皮を剥がしてやりたくなった。
「秘密を共有するのは家族のみと、アダムス子爵が仰せなら。
私の義妹マリーと、この家の孫であるメラニー嬢も、呼んできて貰えるかな」
「メラニーちゃんは、何処に居るの?
嫌がるようなら、無理に連れてこなくてもいいから。
わたくしが後から会いに行きます」
ジャーヴィスがいけしゃあしゃあと、部屋を出ていくハモンドに惚けて頼むのを、リチャードは忌々しそうに見ている。
この場では一番立場が上のミルドレッドが、そう命じるのなら、それは守らなくてはならない。
ハモンドは、恐らく……と断ってから、メラニーの居場所を口にした。
ミルドレッドから聞いた話では、アダムスの使用人達は、スチュワートの両親の離婚後全て入れ替えられたと言う。
ハモンドとて、一族の男だ。
本家に双子が誕生した場合の処理の仕方は知っているはずだ。
それなのに、ここまで秘密主義を貫くのは、何故なんだ。
イアンは、リチャードの面の皮を剥がしてやりたくなった。
「秘密を共有するのは家族のみと、アダムス子爵が仰せなら。
私の義妹マリーと、この家の孫であるメラニー嬢も、呼んできて貰えるかな」
「メラニーちゃんは、何処に居るの?
嫌がるようなら、無理に連れてこなくてもいいから。
わたくしが後から会いに行きます」
ジャーヴィスがいけしゃあしゃあと、部屋を出ていくハモンドに惚けて頼むのを、リチャードは忌々しそうに見ている。
この場では一番立場が上のミルドレッドが、そう命じるのなら、それは守らなくてはならない。
ハモンドは、恐らく……と断ってから、メラニーの居場所を口にした。