この悲しみも。……きっといつかは消える
カールトンにとって、こんな彼女は初めてだった。
スチュワートが亡くなってからは、領内の勉強をしたいと教えを乞われた。
女子高等学院を卒業していないと聞いていたから、出来るだけ簡単に簡単にを心掛けて説明した。
反応も直ぐあるわけではなく、本当に分かっているのかも怪しかった。
それなのに……この短期間に何があった?
それとも、こんな部分を今まで隠していたのか?
「それと、お義姉様の持参金が0であること、ですか?」
「ミリー、持参金については、君の嫁入りに関しては先代様から王命で結ばれた縁組だから、身ひとつで来て欲しいと言われていたのを、こちらはそれでもと持たせたもの。
今回も同様に、それを求められてもね」
ミリーに言い聞かせるように、ジャーヴィスが当時のことを伝える。
この妹の嫁入りとは違うのだと、改めて印象付けるかのように。
ジャーヴィスも、持参金でごねられる想定は勿論していて、契約時にマリーに対しては話している。
「お前が義妹になっても、双方の家からミルドレッドと同じ扱いを受けられるとは思ってはいけない」と。
スチュワートが亡くなってからは、領内の勉強をしたいと教えを乞われた。
女子高等学院を卒業していないと聞いていたから、出来るだけ簡単に簡単にを心掛けて説明した。
反応も直ぐあるわけではなく、本当に分かっているのかも怪しかった。
それなのに……この短期間に何があった?
それとも、こんな部分を今まで隠していたのか?
「それと、お義姉様の持参金が0であること、ですか?」
「ミリー、持参金については、君の嫁入りに関しては先代様から王命で結ばれた縁組だから、身ひとつで来て欲しいと言われていたのを、こちらはそれでもと持たせたもの。
今回も同様に、それを求められてもね」
ミリーに言い聞かせるように、ジャーヴィスが当時のことを伝える。
この妹の嫁入りとは違うのだと、改めて印象付けるかのように。
ジャーヴィスも、持参金でごねられる想定は勿論していて、契約時にマリーに対しては話している。
「お前が義妹になっても、双方の家からミルドレッドと同じ扱いを受けられるとは思ってはいけない」と。