この悲しみも。……きっといつかは消える
第49話
「調べましたところ、バークレー嬢は先月20歳になっています。
お父様よりは、ご本人の意思を優先して貰える年齢になりました」
そこまで調べての、この解雇か。
さすがはヴィスの妹だと、イアンはミルドレッドに惚れ直した。
解雇された契約書を受け取ったユリアナも「これは後から、父に届けて貰いましょう」と、テーブルの上に置いた。
この時、皆が初めてユリアナの心からの笑顔を見た。
「奥様、ウィンガムでお雇いいただけるのなら、どうぞよろしくお願い致します」
「えぇ、こちらこそ、これからもよろしくお願い致します。
メラニーちゃんは兄様に預けて、貴女はご自分の荷物を」
女性ふたりで、話を進めていく様子にジャーヴィスも苦笑いをしていたが、ミルドレッドから指名されたので、ユリアナの前に跪き、優しくメラニーを揺り起こした。
ここでも視線を合わさないふたりに。
ミルドレッドの前では、協力者であったことは一生隠し続けるんだろうなと、イアンは思う。
「ね、ほら、起きられる?
おじちゃんと一緒に、違うお家に行かない?」
「……アナも……いっしょ?」
「……ユリアナ嬢も一緒だよ。
もうすぐメラニーの誕生日だろ?
皆でお祝いしたいんだ。
メラニーを、抱っこさせて?
おじちゃんのことが嫌じゃなければ、だけどね?」
お父様よりは、ご本人の意思を優先して貰える年齢になりました」
そこまで調べての、この解雇か。
さすがはヴィスの妹だと、イアンはミルドレッドに惚れ直した。
解雇された契約書を受け取ったユリアナも「これは後から、父に届けて貰いましょう」と、テーブルの上に置いた。
この時、皆が初めてユリアナの心からの笑顔を見た。
「奥様、ウィンガムでお雇いいただけるのなら、どうぞよろしくお願い致します」
「えぇ、こちらこそ、これからもよろしくお願い致します。
メラニーちゃんは兄様に預けて、貴女はご自分の荷物を」
女性ふたりで、話を進めていく様子にジャーヴィスも苦笑いをしていたが、ミルドレッドから指名されたので、ユリアナの前に跪き、優しくメラニーを揺り起こした。
ここでも視線を合わさないふたりに。
ミルドレッドの前では、協力者であったことは一生隠し続けるんだろうなと、イアンは思う。
「ね、ほら、起きられる?
おじちゃんと一緒に、違うお家に行かない?」
「……アナも……いっしょ?」
「……ユリアナ嬢も一緒だよ。
もうすぐメラニーの誕生日だろ?
皆でお祝いしたいんだ。
メラニーを、抱っこさせて?
おじちゃんのことが嫌じゃなければ、だけどね?」