この悲しみも。……きっといつかは消える

第9話

「相手が16歳のメリーアンだろうと、俺から受ける扱いは変わらない。
 子供はひとりだけ。
 後は相手にしない。
 何故なら、俺の好みは年上で色気があって、手応えのある女だ。
 お前やメリーアンみたいな年下の、すぐに泣いたり倒れたりする女は、好きじゃないんだよ。
 ……そんな地獄にメリーアンを突き落としたいなら、いいんじゃないか」

「あの子を生贄にしたいなんて、思ってない!」

「そうかな? 結局はそうだろう?
 お前は俺から逃げたい。
 だからメリーアンを代わりに置いていくんだ。
 ま、結婚まで4ヶ月はある。
 どうやったら、この地獄からうまく逃げられるか。
 その自分のことしか考えられない、空っぽな頭で必死に考えろ」

「……」

「それと、繰り返して言うが。
 他に生贄が見つからずお前を娶っても、子供はひとりだけだ。
 それ以上は絶対に、お前とは作らない。
 甘ちゃんのスチュワートが、どんな約束をお前としていたかは知らないが。
 俺はお前の畜生みたいな兄貴には、我が子を養子になんて出す気はない」

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