この悲しみも。……きっといつかは消える
第15話
スチュワートからわたしの悪阻の話を聞いた?
だから、会いに来れない?
次に会う時には?
それだけで、頭に血が上ったが、ミルドレッドは懸命に自分を抑えた。
敢えて、スチュワートの妻を挑発しようとしているのか。
ミルドレッドが無言で聞いているので、気分を高揚させたのか。
ローラ・フェルドンは一方的に話し続けた。
「王都でスチュワート様のお世話になっていたんです。
お家賃も生活費も。
いつも何ヵ月分かまとめて渡してくれるんですけど、ずっとご無沙汰ですから、今日はわたしからそれをいただきに来たんです。
……ミルドレッド様もお気付きでしょう?
この子は、あのひとの娘です。
スチュワート様が死んだのなら、これからは奥様のミルドレッド様がメラニーの為に都合を付けてくださいな」
「……家賃と生活費を?」
「そうです、この子を伯爵家の娘にして欲しいとは言いません。
それがスチュワート様との約束ですからね。
ただ、これからも変わらずに。
王都でのわたしと娘の生活を、保障して欲しいだけなんです。
お金をたくさん持ってる奥様なら、簡単でしょ?」
「……」
スチュワートの娘を連れてきた余裕からか、ローラは改めて深く座り直して、大きく溜め息をついた。
だから、会いに来れない?
次に会う時には?
それだけで、頭に血が上ったが、ミルドレッドは懸命に自分を抑えた。
敢えて、スチュワートの妻を挑発しようとしているのか。
ミルドレッドが無言で聞いているので、気分を高揚させたのか。
ローラ・フェルドンは一方的に話し続けた。
「王都でスチュワート様のお世話になっていたんです。
お家賃も生活費も。
いつも何ヵ月分かまとめて渡してくれるんですけど、ずっとご無沙汰ですから、今日はわたしからそれをいただきに来たんです。
……ミルドレッド様もお気付きでしょう?
この子は、あのひとの娘です。
スチュワート様が死んだのなら、これからは奥様のミルドレッド様がメラニーの為に都合を付けてくださいな」
「……家賃と生活費を?」
「そうです、この子を伯爵家の娘にして欲しいとは言いません。
それがスチュワート様との約束ですからね。
ただ、これからも変わらずに。
王都でのわたしと娘の生活を、保障して欲しいだけなんです。
お金をたくさん持ってる奥様なら、簡単でしょ?」
「……」
スチュワートの娘を連れてきた余裕からか、ローラは改めて深く座り直して、大きく溜め息をついた。