この悲しみも。……きっといつかは消える
第17話
レナードは自分の後ろをついてきたサリーも、部屋に入ってきたことすら気付いていないのか、ミルドレッドの方に手を伸ばしてきたので、それを躱すと。
彼女に逃げられた右手を、そのまま力が抜けたように下ろしたレナードだった。
「……ハモンドに聞いた。
スチュワートを、女が尋ねてきたって。
泊めるって、どうして?」
「まだ貴方は会っていないでしょう?
……そのひとはスチュワートに生き写しの娘を連れてきたの」
レナードはそこまで説明されていなかったのか、本当に驚いた顔を見せたが、部屋の隅に立ったサリーがひっそりと笑ったのを、ミルドレッドは横目で確認していた。
「明日叔父様達がいらっしゃるから、貴方はその時に会った方が良いと思うわ」
「そんな、娘って……偽者だろ?
兄上に限って、そんなこと有るわけ無い!
これから直ぐに俺が追い出してやるから、待ってて……」
「騒いで大事にしないで。
貴方は頭に血が上ると、怒らせた相手を容赦なく攻撃するでしょう?
だけど、わたしを相手にした時のようには簡単にはいかないの。
母親って子供を守る為なら、捨て身で向かってくる。
ここを追い出して、有ること無いことを外で触れ回られたらどうするの?」
彼女に逃げられた右手を、そのまま力が抜けたように下ろしたレナードだった。
「……ハモンドに聞いた。
スチュワートを、女が尋ねてきたって。
泊めるって、どうして?」
「まだ貴方は会っていないでしょう?
……そのひとはスチュワートに生き写しの娘を連れてきたの」
レナードはそこまで説明されていなかったのか、本当に驚いた顔を見せたが、部屋の隅に立ったサリーがひっそりと笑ったのを、ミルドレッドは横目で確認していた。
「明日叔父様達がいらっしゃるから、貴方はその時に会った方が良いと思うわ」
「そんな、娘って……偽者だろ?
兄上に限って、そんなこと有るわけ無い!
これから直ぐに俺が追い出してやるから、待ってて……」
「騒いで大事にしないで。
貴方は頭に血が上ると、怒らせた相手を容赦なく攻撃するでしょう?
だけど、わたしを相手にした時のようには簡単にはいかないの。
母親って子供を守る為なら、捨て身で向かってくる。
ここを追い出して、有ること無いことを外で触れ回られたらどうするの?」