この悲しみも。……きっといつかは消える
第24話
王都で会う約束をしているイアン・ギャレットは、ジャーヴィスの高等学院時代の数少ない友人のひとりだが。
ミルドレッドが一緒に行くことで、ふたりを近付けさせないよう余計な気を遣わなくてはならないことに頭が痛かった。
イアンはいい加減な男ではなかったが、やたらと女性にもてて、独身であることを謳歌しているタイプだ。
今はスチュワートの未亡人であるミルドレッドもまだ20歳。
いつかは再婚するだろう。
その相手は、やはり一途な男が良いと、ジャーヴィスは思っている。
そんなわけで、ジャーヴィスは王都邸に到着し、侍女と荷解きをしているミルドレッドに声をかけた。
「明日の夜、ギャレットがディナーに来るが、ミリーは何を着る予定かな?」
「何を着る?」
何の為に兄が明日の服装を気にしているのか分からなかったが、素直に侍女のルーシーに尋ねた。
尋ねられたルーシーがミルドレッドのディナー用のドレスの中から1着を取り出すと、それを見てジャーヴィスが「もう少し地味なドレスを」と言う。
そう指示されて、ルーシーが比較的地味目な色合いのドレスを改めて取り出せば「それでいい」と部屋を出て行った。
特に説明もないやり取りに、残されたミルドレッドはルーシーと目を見合わせた。
ミルドレッドが一緒に行くことで、ふたりを近付けさせないよう余計な気を遣わなくてはならないことに頭が痛かった。
イアンはいい加減な男ではなかったが、やたらと女性にもてて、独身であることを謳歌しているタイプだ。
今はスチュワートの未亡人であるミルドレッドもまだ20歳。
いつかは再婚するだろう。
その相手は、やはり一途な男が良いと、ジャーヴィスは思っている。
そんなわけで、ジャーヴィスは王都邸に到着し、侍女と荷解きをしているミルドレッドに声をかけた。
「明日の夜、ギャレットがディナーに来るが、ミリーは何を着る予定かな?」
「何を着る?」
何の為に兄が明日の服装を気にしているのか分からなかったが、素直に侍女のルーシーに尋ねた。
尋ねられたルーシーがミルドレッドのディナー用のドレスの中から1着を取り出すと、それを見てジャーヴィスが「もう少し地味なドレスを」と言う。
そう指示されて、ルーシーが比較的地味目な色合いのドレスを改めて取り出せば「それでいい」と部屋を出て行った。
特に説明もないやり取りに、残されたミルドレッドはルーシーと目を見合わせた。