インハウスローヤーは私を妻にして専務になりたいだけ ~なのに待っていたのは溺愛でした~
「義貴、さん……?」
慌てて起き上がり、涙を袖で拭う。廊下の明かりが眩しくて、けれど逆光の中こちらに慌てたように駆け寄ってくるのは、間違いなく義貴さんだ。
「おかえりなさい、私、お出迎えも出来ずに――」
「そんなことはいい。それより……っ!」
義貴さんは私の顔を見て、言葉を止めてしまった。
そこで私もはっとする。
〝出張から帰ってきた夫を出迎えもしない、ダメな妻は寝室で泣いていた。〟
自分の株がよりいっそう下がったことを感じ、そっと顔を伏せた。ごめんなさい、こんな妻で――。
それなのに。
「大丈夫だ、俺はここにいる」
「義貴さん……?」
隣に座った彼に、抱きしめられていた。背中を、頭を優しく包み込まれる。スーツからは、香水とは違う、義貴さんの香りがする。
胸がぎゅうっとなって、苦しいのに、すごく、すごく安心する。
一度止めたはずの涙が、再び溢れ出してしまった。
慌てて起き上がり、涙を袖で拭う。廊下の明かりが眩しくて、けれど逆光の中こちらに慌てたように駆け寄ってくるのは、間違いなく義貴さんだ。
「おかえりなさい、私、お出迎えも出来ずに――」
「そんなことはいい。それより……っ!」
義貴さんは私の顔を見て、言葉を止めてしまった。
そこで私もはっとする。
〝出張から帰ってきた夫を出迎えもしない、ダメな妻は寝室で泣いていた。〟
自分の株がよりいっそう下がったことを感じ、そっと顔を伏せた。ごめんなさい、こんな妻で――。
それなのに。
「大丈夫だ、俺はここにいる」
「義貴さん……?」
隣に座った彼に、抱きしめられていた。背中を、頭を優しく包み込まれる。スーツからは、香水とは違う、義貴さんの香りがする。
胸がぎゅうっとなって、苦しいのに、すごく、すごく安心する。
一度止めたはずの涙が、再び溢れ出してしまった。