インハウスローヤーは私を妻にして専務になりたいだけ ~なのに待っていたのは溺愛でした~
「私があなたを幸せにする。だからどうか、泣かないでくれ」
義貴さんの右手の親指の腹が、私の涙を拭う。
ああ、この人はなんて優しいのだろう。
だったら――
「義貴さん、どうか、私を抱いてくれませんか?」
――せめて、専務になって欲しい。この人の望みを、叶えたい。
彼の優しく細められた瞳に、乞うように告げる。
けれど、途端に、彼の顔が曇る。
「悪いが、それはできない」
え、どうして?
切なさと苦しさがやってくる。同時に彼が少し身体を離して、余計に胸が痛んだ。
「あの、実は、渚紗も婚約してしまったんです。だから、あなたが専務になるにはこうするしか――」
言いかけた私の言葉に被せて、彼は声を張り上げ言った。
「あなたのことを、大切にしたいんだ」
義貴さんの右手の親指の腹が、私の涙を拭う。
ああ、この人はなんて優しいのだろう。
だったら――
「義貴さん、どうか、私を抱いてくれませんか?」
――せめて、専務になって欲しい。この人の望みを、叶えたい。
彼の優しく細められた瞳に、乞うように告げる。
けれど、途端に、彼の顔が曇る。
「悪いが、それはできない」
え、どうして?
切なさと苦しさがやってくる。同時に彼が少し身体を離して、余計に胸が痛んだ。
「あの、実は、渚紗も婚約してしまったんです。だから、あなたが専務になるにはこうするしか――」
言いかけた私の言葉に被せて、彼は声を張り上げ言った。
「あなたのことを、大切にしたいんだ」