インハウスローヤーは私を妻にして専務になりたいだけ ~なのに待っていたのは溺愛でした~
義貴さんは私に、卵粥を作ってくれた。食欲がないのなら、こういうのでもいいから食べなさい、と。
はふはふとしながら、口に運ぶ。出汁の優しい味がして、なんだか義貴さんみたいだと思ってしまう。
私がそれを食べ終わった頃、義貴さんは鞄から何かを取り出した。水色の包装紙に包まれた四角い箱を、私に差し出す。
「これを、あなたに」
手に取る。ずっしりとした重みのある包みには、懐かしい文字が並んでいた。イギリス老舗百貨店の名と、紅茶葉の名が刻まれている。この紅茶葉は、イギリス王室も御用達だった気がする。
「土産を選ぶことなんて今までなかったから、どういうのがいいのか迷ったのだが……、これなら、あなたと一緒に楽しめるだろうと思って」
「ありがとうございます。懐かしい……」
幼い頃の記憶が脳裏によみがえる。大好きだった、優しい家族の時間。
「素敵な思い出があるんだな」
「え?」
「今、とても柔らかい表情をしていたよ」
「そう、ですか?」
「ああ」
なんだか、急に恥ずかしくなる。
「そ、そうだ! せっかくだから、淹れますね! 一緒に飲みましょう」
「そうだね。私も手伝おう。カップを温めておくよ」
はふはふとしながら、口に運ぶ。出汁の優しい味がして、なんだか義貴さんみたいだと思ってしまう。
私がそれを食べ終わった頃、義貴さんは鞄から何かを取り出した。水色の包装紙に包まれた四角い箱を、私に差し出す。
「これを、あなたに」
手に取る。ずっしりとした重みのある包みには、懐かしい文字が並んでいた。イギリス老舗百貨店の名と、紅茶葉の名が刻まれている。この紅茶葉は、イギリス王室も御用達だった気がする。
「土産を選ぶことなんて今までなかったから、どういうのがいいのか迷ったのだが……、これなら、あなたと一緒に楽しめるだろうと思って」
「ありがとうございます。懐かしい……」
幼い頃の記憶が脳裏によみがえる。大好きだった、優しい家族の時間。
「素敵な思い出があるんだな」
「え?」
「今、とても柔らかい表情をしていたよ」
「そう、ですか?」
「ああ」
なんだか、急に恥ずかしくなる。
「そ、そうだ! せっかくだから、淹れますね! 一緒に飲みましょう」
「そうだね。私も手伝おう。カップを温めておくよ」