インハウスローヤーは私を妻にして専務になりたいだけ ~なのに待っていたのは溺愛でした~
こんなお店があるなんて。
義貴さんが連れてきてくれたのは、オレンジ色の看板が印象的な牛丼のチェーン店だった。
「ここ……」
「入ったこと、ある?」
「すみません、ないです」
「だよな」
きょろきょろとしている間に義貴さんは食券を機械で買い、私の手を引きカウンター席へ。そこに食券を出すと、すぐに湯気の立つ牛丼が二つ、目の前に置かれた。
「これが、私の味だよ」
「これが……」
義貴さんは割り箸を割り、かきこむように口に入れる。私も真似をして掻き込んだら、熱すぎて思わず噎せてしまった。
「大丈夫?」
「は、はい、平気です」
差し出された水を飲みながら、けれど幸せで頬が垂れてくる。義貴さんの思い出の味を知れて、嬉しい。
義貴さんが連れてきてくれたのは、オレンジ色の看板が印象的な牛丼のチェーン店だった。
「ここ……」
「入ったこと、ある?」
「すみません、ないです」
「だよな」
きょろきょろとしている間に義貴さんは食券を機械で買い、私の手を引きカウンター席へ。そこに食券を出すと、すぐに湯気の立つ牛丼が二つ、目の前に置かれた。
「これが、私の味だよ」
「これが……」
義貴さんは割り箸を割り、かきこむように口に入れる。私も真似をして掻き込んだら、熱すぎて思わず噎せてしまった。
「大丈夫?」
「は、はい、平気です」
差し出された水を飲みながら、けれど幸せで頬が垂れてくる。義貴さんの思い出の味を知れて、嬉しい。