インハウスローヤーは私を妻にして専務になりたいだけ ~なのに待っていたのは溺愛でした~
「巧也」
義貴さんはなぜか頭を抱えて、ため息をこぼす。
「彼女さん? 俺、飯野巧也っていいます。どうも~」
黒髪を丁寧にまとめ上げた彼は、ダークネイビーのスリーピーススーツを着ている。その胸には、普段の仕事の時の義貴さんと同じ金色のバッジーー弁護士バッジがついていた。
「楓さん、彼は私の街弁時代の同僚だ」
「またまた~。大学時代からの親友、だろ?」
「あのなあ」
義貴さんがたじたじになっている……!
珍しい光景に、私は思わずふふっと笑ってしまった。
義貴さんを挟んで向こう側に、飯野さんが座った。
「義貴、デートでこんなお店に彼女連れ込むとか、どういう――」
「あ、あの! 私が提案したんです」
義貴さんの肩をバシッと叩く飯野さんに、慌てて私は口を開く。飯野さんは「へえ」と言いながら、意味深な笑みを浮かべた。
「それに、先ほどまで素敵なお店で、アフタヌーンティーを予約してくれていて、それを堪能させていただきましたから」
「なになに、どこ行ったの?」
「イングランド風の、ステンドグラスの博物館に」
「へぇ。イングランド風、ねぇ……あ!」
飯野さんははっと何かを思い出したように、急にスマホをポケットから取り出して、操作し始めた。
「イギリス、一緒に行ったことあったな、義貴」
義貴さんはなぜか頭を抱えて、ため息をこぼす。
「彼女さん? 俺、飯野巧也っていいます。どうも~」
黒髪を丁寧にまとめ上げた彼は、ダークネイビーのスリーピーススーツを着ている。その胸には、普段の仕事の時の義貴さんと同じ金色のバッジーー弁護士バッジがついていた。
「楓さん、彼は私の街弁時代の同僚だ」
「またまた~。大学時代からの親友、だろ?」
「あのなあ」
義貴さんがたじたじになっている……!
珍しい光景に、私は思わずふふっと笑ってしまった。
義貴さんを挟んで向こう側に、飯野さんが座った。
「義貴、デートでこんなお店に彼女連れ込むとか、どういう――」
「あ、あの! 私が提案したんです」
義貴さんの肩をバシッと叩く飯野さんに、慌てて私は口を開く。飯野さんは「へえ」と言いながら、意味深な笑みを浮かべた。
「それに、先ほどまで素敵なお店で、アフタヌーンティーを予約してくれていて、それを堪能させていただきましたから」
「なになに、どこ行ったの?」
「イングランド風の、ステンドグラスの博物館に」
「へぇ。イングランド風、ねぇ……あ!」
飯野さんははっと何かを思い出したように、急にスマホをポケットから取り出して、操作し始めた。
「イギリス、一緒に行ったことあったな、義貴」