インハウスローヤーは私を妻にして専務になりたいだけ ~なのに待っていたのは溺愛でした~
私は、あの日の悪魔に恋をしている。
こんな皮肉って、ある?
もちろん、彼は悪魔じゃない。ちゃんとした人間で、しかも私の命を救ってくれた、恩人ですらある。
運命に嘲笑われた気がする。滑稽すぎる。ずっと恨んでいた相手に、惹かれているなんて。
私に伸ばされた救いの手は、私をもて遊ぶ。神様にさえおもちゃにされたような惨めさがある。
ぐしゃぐしゃになった感情がこみ上げて、ハラハラと涙が溢れてくる。
あんなに素敵な人を、恨んでしか生きてこられなかった私。胸に抱いていた愚かさが一層際立つようで、恥ずかしいしみっともない。
同時に、胸を襲う疑念。
もしかして、義貴さんはこの事を、知っていたの?
この婚約は、償いなの?
この婚約には、愛はない。
最初から分かっていたのに、勝手に勘違いして、勝手に期待して、恋すらしていた。
義貴さんは、残酷な希望。
スノードロップの花に、似ている。
こんな皮肉って、ある?
もちろん、彼は悪魔じゃない。ちゃんとした人間で、しかも私の命を救ってくれた、恩人ですらある。
運命に嘲笑われた気がする。滑稽すぎる。ずっと恨んでいた相手に、惹かれているなんて。
私に伸ばされた救いの手は、私をもて遊ぶ。神様にさえおもちゃにされたような惨めさがある。
ぐしゃぐしゃになった感情がこみ上げて、ハラハラと涙が溢れてくる。
あんなに素敵な人を、恨んでしか生きてこられなかった私。胸に抱いていた愚かさが一層際立つようで、恥ずかしいしみっともない。
同時に、胸を襲う疑念。
もしかして、義貴さんはこの事を、知っていたの?
この婚約は、償いなの?
この婚約には、愛はない。
最初から分かっていたのに、勝手に勘違いして、勝手に期待して、恋すらしていた。
義貴さんは、残酷な希望。
スノードロップの花に、似ている。