インハウスローヤーは私を妻にして専務になりたいだけ ~なのに待っていたのは溺愛でした~
7 〝家族〟として
時は過ぎ、9月半ば。
休日の昼下がり、まだ残暑の続く部屋の中。
義貴さんから全ての報告を聞き、私はほっと胸をなでおろしていた。
渚紗は飯野さんの事務所に、凱晴さんとのことを相談していた。渚紗は身も心もボロボロだったようで、それでもお腹にいる赤ちゃんは守りたいと、決死の覚悟だったという。
父はそんな愛娘を傷つけた凱晴さんを赦すわけがなく、あっけなく失脚。首を切られただけでなく、異例の速さで地方裁判所から保護命令を言い渡され、渚紗に接触することも叶わなくなったという。
セキュリティもしっかしりている、このツインタワーレジデンスに彼女が住んでいる限り、凱晴さんは渚紗に近寄れないだろう、とのことだ。
そんな話をしていると、突然、インターフォンが鳴る。
「来たか」
「誰ですか?」
「巧也だ。何でも、私とあなたに話があるらしい」
玄関の戸を開けると、「こんにちは〜」と軽い感じで飯野さんが入ってきた。
「ほらほら、渚紗ちゃんも!」
飯野さんの後ろには、嫌そうな顔をしながらこちらに顔を向ける、いくらかお腹のふっくらした妹が立っていた。
休日の昼下がり、まだ残暑の続く部屋の中。
義貴さんから全ての報告を聞き、私はほっと胸をなでおろしていた。
渚紗は飯野さんの事務所に、凱晴さんとのことを相談していた。渚紗は身も心もボロボロだったようで、それでもお腹にいる赤ちゃんは守りたいと、決死の覚悟だったという。
父はそんな愛娘を傷つけた凱晴さんを赦すわけがなく、あっけなく失脚。首を切られただけでなく、異例の速さで地方裁判所から保護命令を言い渡され、渚紗に接触することも叶わなくなったという。
セキュリティもしっかしりている、このツインタワーレジデンスに彼女が住んでいる限り、凱晴さんは渚紗に近寄れないだろう、とのことだ。
そんな話をしていると、突然、インターフォンが鳴る。
「来たか」
「誰ですか?」
「巧也だ。何でも、私とあなたに話があるらしい」
玄関の戸を開けると、「こんにちは〜」と軽い感じで飯野さんが入ってきた。
「ほらほら、渚紗ちゃんも!」
飯野さんの後ろには、嫌そうな顔をしながらこちらに顔を向ける、いくらかお腹のふっくらした妹が立っていた。