あなたに夢中
「んっ! おいしい!」
残業で帰りが遅くなって料理をするのが面倒なときは外食したりするけれど、休みの日にカフェに行き、ひとり優雅にスイーツを食べたことはない。
ふわふわなパンケーキのおいしさに衝撃を受け、思わず声をあげた私を見て渡辺君は小さく笑う。
「おいしいですね」
「はい。……おいしいです」
パンケーキをひと口食べただけで興奮してしまった自分を恥ずかしく思ったその矢先、さらなる衝撃に襲われる。
「堀田さんって赤が好きなんですか?」
渡辺君の口から飛び出た『赤』という言葉を聞き、心臓がドキッと跳ね上がる。
Cosmo7を心から応援しているけれど、キラキラのアイドルであるNAOKIを推しているという事実を会社の人に知られたら、周りの目が気になって落ち着かない。
「べ、別に好きってわけじゃ……」
「ショーウインドーにディスプレイされていたネックレスを眺めていましたよね?」
平静を装って言い訳を口にしたものの、ハイブランドショップの前での様子を目撃されていたと知って息を呑む。
「かわいいからつい見惚れてしまって……」
鋭い観察眼がある渡辺君に、ごまかしはきかない。
覚悟を決めて事実を認め、赤く火照る顔を隠すために下を向く。
残業で帰りが遅くなって料理をするのが面倒なときは外食したりするけれど、休みの日にカフェに行き、ひとり優雅にスイーツを食べたことはない。
ふわふわなパンケーキのおいしさに衝撃を受け、思わず声をあげた私を見て渡辺君は小さく笑う。
「おいしいですね」
「はい。……おいしいです」
パンケーキをひと口食べただけで興奮してしまった自分を恥ずかしく思ったその矢先、さらなる衝撃に襲われる。
「堀田さんって赤が好きなんですか?」
渡辺君の口から飛び出た『赤』という言葉を聞き、心臓がドキッと跳ね上がる。
Cosmo7を心から応援しているけれど、キラキラのアイドルであるNAOKIを推しているという事実を会社の人に知られたら、周りの目が気になって落ち着かない。
「べ、別に好きってわけじゃ……」
「ショーウインドーにディスプレイされていたネックレスを眺めていましたよね?」
平静を装って言い訳を口にしたものの、ハイブランドショップの前での様子を目撃されていたと知って息を呑む。
「かわいいからつい見惚れてしまって……」
鋭い観察眼がある渡辺君に、ごまかしはきかない。
覚悟を決めて事実を認め、赤く火照る顔を隠すために下を向く。