あなたに夢中
「やった!」
昼休憩が始まると同時にオフィスを飛び出したのは、推しである『NAOKI』が所属しているアイドルグループ『Cosmo7』のライブの抽選結果をいち早く知りたかったから。
当選したら今のように声を出してはしゃいでしまうだろうし、落選だったらその場に泣き崩れていただろう。
一喜一憂する姿を職場の人たちに見られるのは恥ずかしい。だから人目につかないこの場所で、メッセージを確認したのだ。
今から二年半前。
なにげなく見ていたテレビの歌番組で、私はNAOKIと出会った。
奥二重のクールな目もとを細めて爽やかに微笑み、先輩グループのバックでひたむきに踊る姿から目が離せない。
気がつけばテレビに近づき、彼の姿を一心不乱に追っていた。
あの子はいったい、誰だろう……。
出番が終わるとすぐにスマホを手に取り、彼に関する情報を検索する。その結果、彼は先輩グループの事務所に所属している研修生のNAOKIだとわかった。
やる気に満ちてワタナベホームに入社したものの、思うように新しい環境に馴染めず、気分が塞ぎ込みがちだった私に、推し活という趣味を与えてくれたCosmo7とNAOKIを今日まで一途に応援してきた。
研修生時代に行われたファンミーティングには何度か参加したことがあるけれど、デビューと同時に大ブレイクした彼らのライブに当選したのは今回が初めて。
スキップしたい気持ちを抑え、推しに会える喜びを噛みしめながら昼食をとるために社員食堂に向かった。
昼休憩が始まると同時にオフィスを飛び出したのは、推しである『NAOKI』が所属しているアイドルグループ『Cosmo7』のライブの抽選結果をいち早く知りたかったから。
当選したら今のように声を出してはしゃいでしまうだろうし、落選だったらその場に泣き崩れていただろう。
一喜一憂する姿を職場の人たちに見られるのは恥ずかしい。だから人目につかないこの場所で、メッセージを確認したのだ。
今から二年半前。
なにげなく見ていたテレビの歌番組で、私はNAOKIと出会った。
奥二重のクールな目もとを細めて爽やかに微笑み、先輩グループのバックでひたむきに踊る姿から目が離せない。
気がつけばテレビに近づき、彼の姿を一心不乱に追っていた。
あの子はいったい、誰だろう……。
出番が終わるとすぐにスマホを手に取り、彼に関する情報を検索する。その結果、彼は先輩グループの事務所に所属している研修生のNAOKIだとわかった。
やる気に満ちてワタナベホームに入社したものの、思うように新しい環境に馴染めず、気分が塞ぎ込みがちだった私に、推し活という趣味を与えてくれたCosmo7とNAOKIを今日まで一途に応援してきた。
研修生時代に行われたファンミーティングには何度か参加したことがあるけれど、デビューと同時に大ブレイクした彼らのライブに当選したのは今回が初めて。
スキップしたい気持ちを抑え、推しに会える喜びを噛みしめながら昼食をとるために社員食堂に向かった。