あなたに夢中
どうしてもパフェ専門店に行くのをあきらめ切れない様子が意地らしくて、思わず心が揺らいでしまう。
でも彼は社長の息子。立場をわきまえて接しなればならない。
「えっと……次の土曜日も予定があって……ごめんなさい」
本当は休日の予定などとくにない。
嘘をついてしまった罪悪感に苛まれてうつむくと、渡辺君は腰を屈めて私の顔を覗き込む。
澄んだ瞳と不意に目が合い、胸がドキドキと音を立てる。
「もしかして俺を避けています?」
「べ、別に避けてなんかいません」
「嘘ですね。明らかに避けていますよね?」
咄嗟に視線を逸らしたものの、追及は終わらない。
至近距離で顔をじっと見つめられ続けては心臓がもたないし、これ以上嘘はつきたくない。
「ごめんなさい」
避けていた事実を認めて頭を下げると、彼は小さなため息をつく。
もしかしたら、私の無神経な振る舞いにあきれたのかもしれない。
不安な気持ちで顔を上げて様子をうかがう。
「どこかゆっくり話せる場所に移動しましょう」
渡辺君はそう言うと、私の返事も聞かずにスタスタと歩き出す。
いつもなら都合を尋ねてくれるのに、今の彼は有無を言わせない迫力があって、とてもNOとは言えない。
少し強引な渡辺君に戸惑いながら、急いで後を追った。
でも彼は社長の息子。立場をわきまえて接しなればならない。
「えっと……次の土曜日も予定があって……ごめんなさい」
本当は休日の予定などとくにない。
嘘をついてしまった罪悪感に苛まれてうつむくと、渡辺君は腰を屈めて私の顔を覗き込む。
澄んだ瞳と不意に目が合い、胸がドキドキと音を立てる。
「もしかして俺を避けています?」
「べ、別に避けてなんかいません」
「嘘ですね。明らかに避けていますよね?」
咄嗟に視線を逸らしたものの、追及は終わらない。
至近距離で顔をじっと見つめられ続けては心臓がもたないし、これ以上嘘はつきたくない。
「ごめんなさい」
避けていた事実を認めて頭を下げると、彼は小さなため息をつく。
もしかしたら、私の無神経な振る舞いにあきれたのかもしれない。
不安な気持ちで顔を上げて様子をうかがう。
「どこかゆっくり話せる場所に移動しましょう」
渡辺君はそう言うと、私の返事も聞かずにスタスタと歩き出す。
いつもなら都合を尋ねてくれるのに、今の彼は有無を言わせない迫力があって、とてもNOとは言えない。
少し強引な渡辺君に戸惑いながら、急いで後を追った。