あなたに夢中
「じょ、冗談はやめてよ」
「冗談じゃないですよ。佳乃さんはかわいいです。さあ、食べましょうか」
渡辺君はなにごともなかったかのように、平然としたままスプーンを手に取る。
二度も『かわいい』と言われ、突然呼び方を変えられたら誰だって驚くに決まっている。
「な、なんで名前で呼ぶの?」
「名前で呼んだ方が特別感があるし新鮮じゃないですか。これからプライベートのときは佳乃さんって呼ぶので、そのつもりでいてくださいね」
動揺しまくっている私とは対照的に、彼は余裕ありげにニコリと微笑んでパフェを口に運ぶ。
家族や親戚以外の人に名前で呼ばれるのはさすがに気恥ずかしいけれど、慣れればどうってことなくなるのかもしれない。
スイーツフレンドである渡辺君との距離感に悩んでいると、不意に顔を覗き込まれる。
「早く食べないと、アイスの部分が溶けてパフェが崩れちゃいますよ?」
「あ、はい」
渡辺君に急かされ、スプーンでパフェをすくってひと口味わう。
「んっ! おいしい!」
イチゴのほどよい酸味と濃厚な生クリームの味が口いっぱいに広がり、頬が勝手に緩んでしまう。
「冗談じゃないですよ。佳乃さんはかわいいです。さあ、食べましょうか」
渡辺君はなにごともなかったかのように、平然としたままスプーンを手に取る。
二度も『かわいい』と言われ、突然呼び方を変えられたら誰だって驚くに決まっている。
「な、なんで名前で呼ぶの?」
「名前で呼んだ方が特別感があるし新鮮じゃないですか。これからプライベートのときは佳乃さんって呼ぶので、そのつもりでいてくださいね」
動揺しまくっている私とは対照的に、彼は余裕ありげにニコリと微笑んでパフェを口に運ぶ。
家族や親戚以外の人に名前で呼ばれるのはさすがに気恥ずかしいけれど、慣れればどうってことなくなるのかもしれない。
スイーツフレンドである渡辺君との距離感に悩んでいると、不意に顔を覗き込まれる。
「早く食べないと、アイスの部分が溶けてパフェが崩れちゃいますよ?」
「あ、はい」
渡辺君に急かされ、スプーンでパフェをすくってひと口味わう。
「んっ! おいしい!」
イチゴのほどよい酸味と濃厚な生クリームの味が口いっぱいに広がり、頬が勝手に緩んでしまう。