あなたに夢中
店を出た先で渡辺君が頭を下げる。
「佳乃さん。ごちそうさまでした」
「どういたしまして」
今回は私がごちそうするという約束通り支払いができてよかったし、おいしいパフェを食べながら渡辺君と語り合う時間はとても楽しかった。
お腹も心も満たされた状態で最寄り駅に続く道を、ふたり肩を並べて歩く。
「佳乃さん。この後の予定は?」
「服を買いに行こうと思っているの」
結局、先週はゴタゴタしてしまって、Cosmo7のライブに着ていく服を買えなかった。
この際だから外出用のオシャレな服も新しく買おうと考えていると、渡辺君が足を止める。
「だったら俺も付き合います」
「えっ?」
「俺がついて行ったら嫌ですか?」
渡辺君は眉根を寄せて私の様子をうかがっている。
子犬のような目をして、甘えるように言われたら断れない。
「嫌じゃないけど、私と服を見て回っても退屈するんじゃない?」
「そんなことないですよ。佳乃さんがどんな服を選ぶのか興味あります」
「そう……なんだ」
「はい。さあ行きましょう」
彼は弾ける笑顔で、私の目の前に手をスッと差し出す。
「なに?」
「手を繋ぎましょうって意味です」
「えっ?」
「佳乃さん。ごちそうさまでした」
「どういたしまして」
今回は私がごちそうするという約束通り支払いができてよかったし、おいしいパフェを食べながら渡辺君と語り合う時間はとても楽しかった。
お腹も心も満たされた状態で最寄り駅に続く道を、ふたり肩を並べて歩く。
「佳乃さん。この後の予定は?」
「服を買いに行こうと思っているの」
結局、先週はゴタゴタしてしまって、Cosmo7のライブに着ていく服を買えなかった。
この際だから外出用のオシャレな服も新しく買おうと考えていると、渡辺君が足を止める。
「だったら俺も付き合います」
「えっ?」
「俺がついて行ったら嫌ですか?」
渡辺君は眉根を寄せて私の様子をうかがっている。
子犬のような目をして、甘えるように言われたら断れない。
「嫌じゃないけど、私と服を見て回っても退屈するんじゃない?」
「そんなことないですよ。佳乃さんがどんな服を選ぶのか興味あります」
「そう……なんだ」
「はい。さあ行きましょう」
彼は弾ける笑顔で、私の目の前に手をスッと差し出す。
「なに?」
「手を繋ぎましょうって意味です」
「えっ?」