あなたに夢中
推し活バレる
十二月に入り、二週間が過ぎたある日。
年末までに終わらせなければならない業務が多く、ここ数日は残業が続いている。
家に帰っても疲れがとれず、NAOKIのインタビューが掲載されている雑誌をチェックする時間さえ作れない。それでも仕事に対するモチベーションを保っていられるのは、渡辺君とスイーツを食べにいく週末を心待ちにしているからだ。
「堀田さん。そろそろ終わりますか?」
「うん」
午後八時を過ぎたオフィスには、私と渡辺君しか残っていない。
キリのいいところで業務を終わらせ、ふたりで本社を後にする。
「佳乃さん。食事して帰りませんか?」
「うん。いいね」
バランスのいい食事をとるためになるべく自炊をするように心がけているけれど、疲れた体でキッチンに立つのはつらい。
渡辺君の誘いにうなずくと近くのダイニングバーに入り、暖色系のライトが灯る店内を進んで案内された席に着く。
平日だからかバーカウンター席でひとりでお酒を楽しんでいる男性と、親しげに会話を交わしている男女の姿しかない。
「なに飲みます?」
仕事終わりに飲みに行ったことなどないため、ドリンクメニューを見てもどのお酒がおいしいのかわからない。
年末までに終わらせなければならない業務が多く、ここ数日は残業が続いている。
家に帰っても疲れがとれず、NAOKIのインタビューが掲載されている雑誌をチェックする時間さえ作れない。それでも仕事に対するモチベーションを保っていられるのは、渡辺君とスイーツを食べにいく週末を心待ちにしているからだ。
「堀田さん。そろそろ終わりますか?」
「うん」
午後八時を過ぎたオフィスには、私と渡辺君しか残っていない。
キリのいいところで業務を終わらせ、ふたりで本社を後にする。
「佳乃さん。食事して帰りませんか?」
「うん。いいね」
バランスのいい食事をとるためになるべく自炊をするように心がけているけれど、疲れた体でキッチンに立つのはつらい。
渡辺君の誘いにうなずくと近くのダイニングバーに入り、暖色系のライトが灯る店内を進んで案内された席に着く。
平日だからかバーカウンター席でひとりでお酒を楽しんでいる男性と、親しげに会話を交わしている男女の姿しかない。
「なに飲みます?」
仕事終わりに飲みに行ったことなどないため、ドリンクメニューを見てもどのお酒がおいしいのかわからない。