あなたに夢中
二十五歳にもなって彼氏がいないなんて自慢できることではないけれど、嘘を言っても仕方ないと渋々認める。それでも渡辺君は納得がいかないといった表情で、なおも食い下がる。
「……予定っていったいなんですか?」
「それは……」
誘いを断ったのだから、横浜に行けない理由をきちんと説明したい気持ちはある。でも、渡辺君にNAOKI推しだと知られるのはやはり恥ずかしい。
Cosmo7のライブに行くと打ち明けられず、口ごもる私にしびれを切らしたのだろう。
彼は不機嫌そうな顔をしてビールを一気に飲み干すと、手を上げて店員を呼ぶ。
「すみません! ビール追加で」
「あ、私も」
気まずさを感じているのは私も同じ。
渡辺君のハイペースな飲み方につられるように、急いでグラスを空にしてお代わりをオーダーする。
ほどなくして運ばれてきたビールに口をつけても、彼は黙ったままで目も合わせてくれない。
誘いを断られたからといって、露骨に嫌な顔をしなくてもいいのに……。
子供じみた態度を取る渡辺君に対してもどかしい気持ちが込み上げてくる中、苦くておいしくないビールを飲んだ。
「……予定っていったいなんですか?」
「それは……」
誘いを断ったのだから、横浜に行けない理由をきちんと説明したい気持ちはある。でも、渡辺君にNAOKI推しだと知られるのはやはり恥ずかしい。
Cosmo7のライブに行くと打ち明けられず、口ごもる私にしびれを切らしたのだろう。
彼は不機嫌そうな顔をしてビールを一気に飲み干すと、手を上げて店員を呼ぶ。
「すみません! ビール追加で」
「あ、私も」
気まずさを感じているのは私も同じ。
渡辺君のハイペースな飲み方につられるように、急いでグラスを空にしてお代わりをオーダーする。
ほどなくして運ばれてきたビールに口をつけても、彼は黙ったままで目も合わせてくれない。
誘いを断られたからといって、露骨に嫌な顔をしなくてもいいのに……。
子供じみた態度を取る渡辺君に対してもどかしい気持ちが込み上げてくる中、苦くておいしくないビールを飲んだ。