あなたに夢中
翌日。
いつも通り出勤しても、気まずさを感じてしまって渡辺君の顔をまともに見られない。
「おはようございます」
うつむいたまま小さな声で挨拶をすると、そそくさと自席に着いて業務に取りかかる。
年末ということもあって、仕事は息つく暇もないほど忙しい。でも今の私には、彼の様子を気にかける余裕などない方がありがたい。
「よし。がんばろう」
自分だけに聞こえる声でつぶやき、気持ちを奮い立たせて業務にあたる。
そんな日が続き、迎えた二十三日の金曜日。
渡辺君とダイニングバーに行き、家に送ってもらってから数日が経ったにもかかわらず、口を利かない状態が続いている。
本当ならばCosmo7のライブを明日に控え、気持ちが高ぶって落ち着いていられないはずなのに、なぜか心が晴れない。
朝から取りかかっていた業務がひと段落ついたタイミングで席を立ち、自動販売機に飲み物を買いに行くためにオフィスを後にする。
十二月下旬にもなると寒さが厳しくなり、必然的に温かいものが飲みたくなる。
ホットミルクティーでも買おうと考えて通路を歩いていると、思いがけず背後から声をかけられた。
いつも通り出勤しても、気まずさを感じてしまって渡辺君の顔をまともに見られない。
「おはようございます」
うつむいたまま小さな声で挨拶をすると、そそくさと自席に着いて業務に取りかかる。
年末ということもあって、仕事は息つく暇もないほど忙しい。でも今の私には、彼の様子を気にかける余裕などない方がありがたい。
「よし。がんばろう」
自分だけに聞こえる声でつぶやき、気持ちを奮い立たせて業務にあたる。
そんな日が続き、迎えた二十三日の金曜日。
渡辺君とダイニングバーに行き、家に送ってもらってから数日が経ったにもかかわらず、口を利かない状態が続いている。
本当ならばCosmo7のライブを明日に控え、気持ちが高ぶって落ち着いていられないはずなのに、なぜか心が晴れない。
朝から取りかかっていた業務がひと段落ついたタイミングで席を立ち、自動販売機に飲み物を買いに行くためにオフィスを後にする。
十二月下旬にもなると寒さが厳しくなり、必然的に温かいものが飲みたくなる。
ホットミルクティーでも買おうと考えて通路を歩いていると、思いがけず背後から声をかけられた。