あなたに夢中
道沿いの樹木に装飾された電球が、シャンパンゴールドの光を放つ幻想的な風景を見てため息をつく。
「すごく綺麗」
「うん。綺麗ですね」
クリスマスイブに渡辺君と一緒にイルミネーションを見られる喜びを噛みしめて歩を進めていると、不意に手を握られる。
大きくて安心できる手の温もりが心地よくて、自然に笑みがこぼれたとき彼が足を止めた。
「ねえ、佳乃さん。お願いがあるんだけど」
「なに?」
改めて『お願い』と言われると、少し不安になってしまう。でも私にできることであれば力になりたいという思いを胸に、渡辺君の顔を見上げる。
「俺の彼女になってください」
「えっ?」
「もうわかっていると思うけど俺、佳乃さんが好きだよ」
渡辺君は目もとを細めてやわらかく微笑む。
唐突な告白に耳を疑ったものの、お互いを思う気持ちが同じだったとわかり、じわじわと喜びが込み上げてくる。けれど地味な私は渡辺君にはふさわしくないのではないかいとうネガティブな思いを、どうしても振り払うことができない。
「私でいいの?」
「佳乃さんがいいんです。返事は?」
「……はい」
コクリとうなずくと、渡辺君は繋いでいた手にキュッと力を込める。
「すごく綺麗」
「うん。綺麗ですね」
クリスマスイブに渡辺君と一緒にイルミネーションを見られる喜びを噛みしめて歩を進めていると、不意に手を握られる。
大きくて安心できる手の温もりが心地よくて、自然に笑みがこぼれたとき彼が足を止めた。
「ねえ、佳乃さん。お願いがあるんだけど」
「なに?」
改めて『お願い』と言われると、少し不安になってしまう。でも私にできることであれば力になりたいという思いを胸に、渡辺君の顔を見上げる。
「俺の彼女になってください」
「えっ?」
「もうわかっていると思うけど俺、佳乃さんが好きだよ」
渡辺君は目もとを細めてやわらかく微笑む。
唐突な告白に耳を疑ったものの、お互いを思う気持ちが同じだったとわかり、じわじわと喜びが込み上げてくる。けれど地味な私は渡辺君にはふさわしくないのではないかいとうネガティブな思いを、どうしても振り払うことができない。
「私でいいの?」
「佳乃さんがいいんです。返事は?」
「……はい」
コクリとうなずくと、渡辺君は繋いでいた手にキュッと力を込める。