此方は十六夜の蝶。
私が鷹と関わりを持っている女だと勘ぐると、彼らは「私たちはお話を聞きたいだけなのです」なんて、まるで追い詰めるように言ってくる。
「鷹くんはとても美眉秀麗な男の子だと聞きました。ぜひ一目、私たちも会ってみたいと思いまして」
「……鷹は、そういうものを嫌いますので」
「ほう。では、彼の好きなものや得意なことは?」
「…釣り、とか」
答えちゃだめ。
答えちゃダメと思いながらも、完全に流れを持っていかれた。
巧みすぎる話術は、一瞬の隙をも与えない。
「ちなみにお嬢さんとはどういったご関係で?」
「……かぞく、です」
「家族…というのは?許嫁ですかな?」
「いや、そうではなくて…、兄妹のような……家族なんです」
「では、鷹くんの周りにいる仲の良い女性はお嬢さんくらいでしょうか?」
「……そうだと…思います」
なにかをずっと尋問されているみたいだった。
彼らは今日、しっかりと目的があってその上で動いているのだと。