此方は十六夜の蝶。
すると楼主含む世話役たちが顔を青ざめさせながらやってくる。
これも、きっと、彼の計画なのだと。
「なんだこの生意気な女は…ッ!!私を誰だと思っている!!」
「もっ、申し訳ございません…!!どうかお許しを……!須磨には私どもからキツい仕置きを致しますので…っ!」
「そんなもので気が晴れるものか……!!水月とやらをここに呼べ…っ!貴様ら揃って首を斬り落としてやる!!!」
「そ、そんな……!」
「いいから呼べと言っておるのが聞けぬか!!」
少々乱暴をしてしまうが、許してほしい───、
私だけに伝えられていた言葉。
それから騒ぎを聞いて駆けつけてきた愛しい彼を目にした瞬間、想いが溢れては手を伸ばしてしまった私─須磨─を。
同じように私を抱きしめてしまった彼─水月─を。
どうか、無事に殺していただけますよう。
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