イヴの鳥籠~エリート貴公子の甘い執着愛
長い廊下を歩いて二階へと続く階段を上ると、また廊下を進んでいく。
(広すぎて眩暈がしそう…)
私は今どこをどう通ってここまで来たのか分からなくなっていた。今ここからパウダールームへ戻れと言われても、迷子になってしまう自信がある。
そうしてようやく、ドアの前で二人が足を止めた。
ドアをコンコンとノックをすると、中から声が聞こえる。
「テオドール様、アンゼリカ様をお連れ致しました」
カチャリとドアが開くと、白いシャツに黒い細身のパンツという出で立ちのテオドールさんが「入って」と出迎えてくれた。
テオドールさんは私の背中に手を添えると、カーリーさんとケイトさんに向き直る。
「君たちもありがとう。今日はもう休んでいいよ」
「はい、それではそうさせていただきます」
「おやすみなさいませ。テオドール様、アンゼリカ様」
ドアが閉まり、私は部屋の中へと促される。
きょろきょろと所在なさげに辺りを見回す私に、テオドールさんはくすりと笑う。
「ここは僕の部屋だよ。書斎とは別で僕が寛ぐための部屋。向こう側は僕の寝室」
壁一面の本棚と窓際に置かれたデスク。
家具はそれほど多くはないけれど、そのどれもが一流かつ年代物の調度品であることが分かる。
「この本棚にあるのは僕のお気に入りの本ばかりなんだ。書庫には明日案内するけれど、ここにある本も君は好きに読んでいいからね。さあ、こっちへおいでアンゼリカ」
(広すぎて眩暈がしそう…)
私は今どこをどう通ってここまで来たのか分からなくなっていた。今ここからパウダールームへ戻れと言われても、迷子になってしまう自信がある。
そうしてようやく、ドアの前で二人が足を止めた。
ドアをコンコンとノックをすると、中から声が聞こえる。
「テオドール様、アンゼリカ様をお連れ致しました」
カチャリとドアが開くと、白いシャツに黒い細身のパンツという出で立ちのテオドールさんが「入って」と出迎えてくれた。
テオドールさんは私の背中に手を添えると、カーリーさんとケイトさんに向き直る。
「君たちもありがとう。今日はもう休んでいいよ」
「はい、それではそうさせていただきます」
「おやすみなさいませ。テオドール様、アンゼリカ様」
ドアが閉まり、私は部屋の中へと促される。
きょろきょろと所在なさげに辺りを見回す私に、テオドールさんはくすりと笑う。
「ここは僕の部屋だよ。書斎とは別で僕が寛ぐための部屋。向こう側は僕の寝室」
壁一面の本棚と窓際に置かれたデスク。
家具はそれほど多くはないけれど、そのどれもが一流かつ年代物の調度品であることが分かる。
「この本棚にあるのは僕のお気に入りの本ばかりなんだ。書庫には明日案内するけれど、ここにある本も君は好きに読んでいいからね。さあ、こっちへおいでアンゼリカ」