イヴの鳥籠~エリート貴公子の甘い執着愛
テオドールさんが、そっと私の肩に触れる。
そのとき初めて私は自分が震えていることに気がついた。
「…いったん座ろうか、アンゼリカ」
テオドールさんは私の手を引き、壁際にある大きなソファーへと移動して二人で座った。
沈黙が二人を包む。
「…僕は、ずっと君を探していたんだ」
テオドールさんの言葉に私は顔を上げると、はちみつ色の瞳と目が合う。
その瞳は遠い過去を懐かしむようでいて、今日までの長い時間を思い出して苦悶しているような、そんな複雑な表情をしていた。
「まずは僕の今の身分を明かそう。
僕はスーデリア国バロンフォード公爵テオドール・ルブランシュだ」
「バロンフォード公爵…?」
スーデリア国で知らない者などいないだろう。
この国の十二公家のうち、王家の血筋をより濃く引き絶大なる地位と権力を持つとされる三代公爵家の一つだ。
(高貴な身分の方なのだろうと思っていたけれど、まさかバロンフォード公爵だったなんて…)
「僕と君は8年前会っているんだ。君の故郷であるノートンのアスバルで」
そのとき初めて私は自分が震えていることに気がついた。
「…いったん座ろうか、アンゼリカ」
テオドールさんは私の手を引き、壁際にある大きなソファーへと移動して二人で座った。
沈黙が二人を包む。
「…僕は、ずっと君を探していたんだ」
テオドールさんの言葉に私は顔を上げると、はちみつ色の瞳と目が合う。
その瞳は遠い過去を懐かしむようでいて、今日までの長い時間を思い出して苦悶しているような、そんな複雑な表情をしていた。
「まずは僕の今の身分を明かそう。
僕はスーデリア国バロンフォード公爵テオドール・ルブランシュだ」
「バロンフォード公爵…?」
スーデリア国で知らない者などいないだろう。
この国の十二公家のうち、王家の血筋をより濃く引き絶大なる地位と権力を持つとされる三代公爵家の一つだ。
(高貴な身分の方なのだろうと思っていたけれど、まさかバロンフォード公爵だったなんて…)
「僕と君は8年前会っているんだ。君の故郷であるノートンのアスバルで」