イヴの鳥籠~エリート貴公子の甘い執着愛
◇◇◇◇
「おい、番号11どこだ!早く来い!」
怒鳴るような声が響き渡り、狭い部屋に押し込められひしめき合う女性たちがビクリと肩を震わせる。
私は着せられたみすぼらしい服に縫い付けられた『11』という番号を見て小さく手を挙げると、先ほどの大声かつ大柄の男性に腕を掴んで立たせられ引っ張られた。
「ぐずぐずするな!早く来い!」
(…う、痛い…)
私は掴まれた手首が痛むのを我慢しながら、俯いてついていくしかない。
ここでは私たちの感情や意思などないに等しいのだから。
ここはスーデリア国の王都エルンストにある地下の闇オークションの会場だ。
この国では人身売買は表向き禁止されているが、この世の中には常軌を逸した趣味を持つ者もいて、その一つが『人間コレクション』。
珍しい肌や目の色、変わった痣の持ち主などがその一例で、ただ単純に容姿を好んで競り落とすものも多い。
特にこの地下オークションは『高貴な身分』や『富豪』とされている人たちを多数顧客に持っているらしく、不定期に開催されているここは公然の秘密となっていて、警察といった公的機関からも見逃されているという。
ここに売られてくるまで、こんな恐ろしい場所が王都にあるだなんて私はまったく知らなかった。
この場で出品される人間は、みな名前を奪われてただ番号として呼ばれる。
たとえ競り落とされてここから出られたとしても、新たな主人に名前を付けられるのだから必要ないというわけだ。
私はここに連れてこられ売られてから3日目。
今日、私はオークションにかけられることが決まっている。
「おい、番号11どこだ!早く来い!」
怒鳴るような声が響き渡り、狭い部屋に押し込められひしめき合う女性たちがビクリと肩を震わせる。
私は着せられたみすぼらしい服に縫い付けられた『11』という番号を見て小さく手を挙げると、先ほどの大声かつ大柄の男性に腕を掴んで立たせられ引っ張られた。
「ぐずぐずするな!早く来い!」
(…う、痛い…)
私は掴まれた手首が痛むのを我慢しながら、俯いてついていくしかない。
ここでは私たちの感情や意思などないに等しいのだから。
ここはスーデリア国の王都エルンストにある地下の闇オークションの会場だ。
この国では人身売買は表向き禁止されているが、この世の中には常軌を逸した趣味を持つ者もいて、その一つが『人間コレクション』。
珍しい肌や目の色、変わった痣の持ち主などがその一例で、ただ単純に容姿を好んで競り落とすものも多い。
特にこの地下オークションは『高貴な身分』や『富豪』とされている人たちを多数顧客に持っているらしく、不定期に開催されているここは公然の秘密となっていて、警察といった公的機関からも見逃されているという。
ここに売られてくるまで、こんな恐ろしい場所が王都にあるだなんて私はまったく知らなかった。
この場で出品される人間は、みな名前を奪われてただ番号として呼ばれる。
たとえ競り落とされてここから出られたとしても、新たな主人に名前を付けられるのだから必要ないというわけだ。
私はここに連れてこられ売られてから3日目。
今日、私はオークションにかけられることが決まっている。