イヴの鳥籠~エリート貴公子の甘い執着愛
食事の後にはテオドールさん自ら紅茶を淹れてくれて、それを飲みながらしばらく語らっていると、だんだんと眠気に襲われてくる。

「ふふ、眠くなってきちゃったかな」

「あ…すみません」

「いいんだよ。今日はいろんなことがあって疲れているだろうから。
実はね、君の部屋なんだけどまだちゃんと準備ができていないんだ。だから今日は僕の部屋で寝るといいよ。さぁ寝室へ行こうか」

そう言って、私はソファーから抱きあげられて寝室へと連れて行かれる。

本当だったら恥ずかしいはずなのに、今日すでに何回もお姫様抱っこされていたことと突如襲ってきた眠気とで、私はすっかりテオドールさんに身を委ねてしまっていた。

まるで雲の上に降ろされたかのように、寝室のベッドはふかふかだった。

テオドールさんも私の隣りに体をぴったりと寄せて横たわると、私の髪を柔らかく梳くようにして撫でられる。

「おやすみアンゼリカ。ゆっくり眠るんだよ。僕はずっと…ここにいるからね」

私はゆっくり目を閉じる瞬間、額に柔らかい何かが押し当てられた感触がして、私はそのまま眠りに落ちていった。


だからそのとき、テオドールさんのはちみつ色の瞳が仄暗い光を湛えていたことに―――私が気づくことはなかった。


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