イヴの鳥籠～エリート貴公子の甘い執着愛

4. 貴公子の独白〜テオドールSide

アンゼリカと再会してから1週間。

彼女は屋敷での生活にもだんだんと慣れてきたようだった。

僕はアンゼリカの健康状態を確認してもらうという理由をつけて、知り合いの精神科医に彼女をカウンセリングしてもらった。

彼いわくアンゼリカの記憶喪失は『おそらく辛いことが重なりすぎて、彼女にとって一番幸せだった頃の記憶を封じ込めてしまっているではないか』という見解だった。

どうしたら、彼女の記憶は戻るだろうか。

封じ込める必要がないくらい、ここでの暮らしが満たされたものになれば思い出してくれる？

あぁ、アンゼリカ。

8年――8年かけてようやく見つけた出した、愛しい僕の初恋の少女。