イヴの鳥籠~エリート貴公子の甘い執着愛
「おやおや、その大事な商品に傷をつけようとしているのはどこのどいつなのかな?」
「!?し、支配人…!」
おそるおそる目を開けると、私と大男な間に細身で長身の男性が立ちはだかっていた。
私に振り下ろされるはずだった手はその男性に捻りあげられて、あの大男が嘘みたいに震えあがっている。
(支配人っていうことは、この人がこの闇オークションを取り仕切っている人…?)
「彼女は俺が引き取るからお前はもう戻っていい」
「し、しかし」
「聞こえなかった?下がれと言ったんだよ」
剃刀のような視線と冷淡な声をもって一睨みすると、大男は脱兎のごとく走り去っていった。
「大丈夫かい?ケガはなかった?」
右目にモノクルをかけた『支配人』と呼ばれた男性が、一転して柔和な笑顔を向ける。
すらりとした長身に、全身黒のスーツを身にまとっている。
一見シンプルな印象だけれど、スーツ下のウエストコートには、金糸や銀糸で華やかな織り柄模様が施されていて、それだけでも彼自身もまた身分のある人なのではないかと思った。
「助けていただいて、ありがとうございます」
「いいや、お礼を言うのはこちらのほうだよ」
「え?」
男性は私の顎に手をかけると、有無を言わせぬ力で顔を上を向かせる。
私は突然のことに驚いて固まってしまった。
「!?し、支配人…!」
おそるおそる目を開けると、私と大男な間に細身で長身の男性が立ちはだかっていた。
私に振り下ろされるはずだった手はその男性に捻りあげられて、あの大男が嘘みたいに震えあがっている。
(支配人っていうことは、この人がこの闇オークションを取り仕切っている人…?)
「彼女は俺が引き取るからお前はもう戻っていい」
「し、しかし」
「聞こえなかった?下がれと言ったんだよ」
剃刀のような視線と冷淡な声をもって一睨みすると、大男は脱兎のごとく走り去っていった。
「大丈夫かい?ケガはなかった?」
右目にモノクルをかけた『支配人』と呼ばれた男性が、一転して柔和な笑顔を向ける。
すらりとした長身に、全身黒のスーツを身にまとっている。
一見シンプルな印象だけれど、スーツ下のウエストコートには、金糸や銀糸で華やかな織り柄模様が施されていて、それだけでも彼自身もまた身分のある人なのではないかと思った。
「助けていただいて、ありがとうございます」
「いいや、お礼を言うのはこちらのほうだよ」
「え?」
男性は私の顎に手をかけると、有無を言わせぬ力で顔を上を向かせる。
私は突然のことに驚いて固まってしまった。