イヴの鳥籠~エリート貴公子の甘い執着愛
「聞こえなかったのか競売人。2億だ」
「っ、に、2億です。2億が出ました。他にご希望の方はいらっしゃいませんか…っ!?」
競売人も驚きで声が上擦っていた。
黒の仮面をつけたその男性は、周囲のざわめきもお構いなしにどんどんとステージへと近づいてくると、カツカツと音を立ててステージへと上ってくる。
そして、あっという間に私の前に跪いて上からふわりと自分が着ていた黒のコートを掛けてくれた。
(………え?)
この場にいる誰もが圧倒されてしまい、屈強なスタッフや用心棒の大男でさえも制止することはできないようだった。
会場から誰からも声は上がらず、競売人がカンッと強くハンマーを叩く音がした。
「それではエントリーナンバー1番は、2億でこちらの黒の仮面の紳士が落札されました…!!」
それを聞き終えると、男性は私を横抱きに抱き上げてそのまま舞台袖へと進んでいく。
「あ、あの…わ、私、」
あまりの展開に呆然としてしまって、うまく言葉が出てこない。
すると男性は私の耳元に顔を近づける。
「もう大丈夫だから」
そっと私にだけに聞こえるように囁くと、私を安心させるように胸に抱き寄せる。
黒の仮面の向こうの瞳は、とても澄んでいて不思議と怖くはなかった。
「っ、に、2億です。2億が出ました。他にご希望の方はいらっしゃいませんか…っ!?」
競売人も驚きで声が上擦っていた。
黒の仮面をつけたその男性は、周囲のざわめきもお構いなしにどんどんとステージへと近づいてくると、カツカツと音を立ててステージへと上ってくる。
そして、あっという間に私の前に跪いて上からふわりと自分が着ていた黒のコートを掛けてくれた。
(………え?)
この場にいる誰もが圧倒されてしまい、屈強なスタッフや用心棒の大男でさえも制止することはできないようだった。
会場から誰からも声は上がらず、競売人がカンッと強くハンマーを叩く音がした。
「それではエントリーナンバー1番は、2億でこちらの黒の仮面の紳士が落札されました…!!」
それを聞き終えると、男性は私を横抱きに抱き上げてそのまま舞台袖へと進んでいく。
「あ、あの…わ、私、」
あまりの展開に呆然としてしまって、うまく言葉が出てこない。
すると男性は私の耳元に顔を近づける。
「もう大丈夫だから」
そっと私にだけに聞こえるように囁くと、私を安心させるように胸に抱き寄せる。
黒の仮面の向こうの瞳は、とても澄んでいて不思議と怖くはなかった。