まるっとおまけな人生だから、今度は好きに生きていいよねっ
「ぼくはきにしてないよ? そとまでつれてきてくれてありがとう。とても、たのしかった」
「そうそう、テティが楽しんだのだからそれでいいのよ」
「よくねぇよ!」

 ナビーシャの言葉に、セリオンの声が響き渡る。
 ちらりと他の三人の方に目を向けたら、レナータは苦笑し、ネレアは大笑い。肩をすくめたザイオスは、テティウスの前までやってきて膝をついた。

「王子殿下、われわれの無礼をお許しくださいますか?」
「ぼく、なのってないでしょ。みなはわるいことちてないよ」
「そうおっしゃっていただけるのであれば、我々としても、ありがたいことです」

 迷宮にいる間は、テティウスのことを「坊主」と呼んでいたけれど、やはり外に出るとザイオスの態度も変わってしまうみたいだ。
 やがて、王宮から迎えがやってきた。というか、両親が馬車に乗って駆けつけてきた。

「本当に、本当に、本当に心配したんですからね……!」
< 128 / 347 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop