まるっとおまけな人生だから、今度は好きに生きていいよねっ
「テティ、そんな言葉どこで覚えてきたんだ? まあ、こういう子供だ。公の場ならともかく、私的な空間ならば坊主呼ばわりもお前呼ばわりもよしとしよう。王宮に収まる子でもないだろうしな」

 まさかの国王陛下のお墨付きである。父の言葉にびっくりしたのは、むしろテティウスの方だった。

(いいのかな……?)

 今、父は「王宮に収まる子ではない」と言った。ということは、将来テティウスが王宮を離れることも予想しているわけで。

(いや、自由に生きるつもりだからそれはそれでありがたいんだけどさ……)

『あんたのことは、神様の寵愛を受けているって話はしてあるからね。国を離れる覚悟はしているんじゃないかしら?』

 と、いつもの大きさになったナビーシャはテティウスの足元で尾を揺らした。
 そんな様子を見ていたら、冒険者達も気の抜けたような表情になった。

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