まるっとおまけな人生だから、今度は好きに生きていいよねっ
「セリオン、あとで僕と剣を打ち合わせてくれないか? 王宮の騎士の剣以外も経験してみたいんだ」
「か、かしこまりました」

 王太子のゼファルスに声をかけられたセリオンは、上ずった声で返事をしている。

「ねぇねぇ、魔道具作るの好き?」
「錬金術はできる?」
「あー、姫さん方。俺は、魔道具は不得手で……」

 ヘスティアとユスティナに両側に取りつかれたザイオスは、話をどう持っていったらいいものか判断に困っている様子だった。

「殿下。ザイオスはドワーフですが、鍛冶や魔道具作りは苦手なのです。ですが、神官としての才能にはずば抜けたものがあるのですよ」
「いや、一般的な話でよければ……」

 すかさずレナータが救いの手を差し伸べ、ザイオスは頭をかく。双子は、ザイオスの両脇に座を占めた。

「聞く」
< 134 / 347 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop