まるっとおまけな人生だから、今度は好きに生きていいよねっ
 思いがけない事件に巻き込まれて飛ばされて、家族に心配させることになってしまった。同じようなことがもう起きないよう、今後も気をつけねば。

「……テティ」
「なぁに、ネレア」

 軽やかにワンピースの裾を揺らしてやってきたネレアは、テティウスの隣に腰を下ろした。彼女が兄や姉を見る目は、テティウスと同じように微笑ましいものを見る目だ。

「あなた、愛されているのね」
「うん!」

 ネレアの言葉に、テティウスの笑みはますます大きくなる。そう、家族を愛しているし、愛されているのだ。

「ねえ、ネレア。ぼうけんのはなし、して」

 見た目は十代前半と一番若いが、ネレアは「流星の追跡者」の中では一番のお姉さんである。彼らのパーティーに加わる前にもいろいろなところで冒険していたそうだ。

「いいわよぉ、じゃあ、私が最初に冒険に出た時の話をしようかしら。もう、あの頃の仲間は残っていないけれど」

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