まるっとおまけな人生だから、今度は好きに生きていいよねっ
 男の子達はテティウスを放置しておいて、追いかけっこを始めてしまった。
 たしかに、まだ身体が追いついていないし、彼らに混ざって遊ぶのは難しいかもしれない。
 親の中には、テティウスから離れていることに眉間に皺を寄せている者もいたけれど、今日は子供達の会話には口出し厳禁である。

「殿下、お茶はいかがですか?」
「お菓子をどうぞ」

 テティウスの側に残った女の子達は、せっせとテティウスにお茶を差し出したりお菓子を差し出したりしてくる。ものすごく熱心でとても怖い。

(どういうこと……!)

『女の子は小さくても女ってことね。未来の王子妃狙いよこれは』

(小さくても女って早すぎでしょ! それに狙うなら王太子のゼフ兄様を狙えばいいだろうに)

『ゼファルスが五歳の女の子の手を取ってたら、それはそれで危ない構図の出来上がりでしょうが……』

(――たしかに)

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