まるっとおまけな人生だから、今度は好きに生きていいよねっ
 招待客のリストは事前にもらっていたので、彼女がスピラー伯爵家の娘であるということがすぐにわかった。

「イヴェリュア――ごめん、いえないや」
「イヴって呼んでくださいな。パパとママ――間違えちゃった。お父様とお母様はそう呼ぶの。お兄様も、あと、お友達もよ」
「イヴちゃんはどうしてここにいるの?」
「人がいっぱいいるから怖くて」
「わかりゅ。ぼくもそう」

 テティウスにお茶やお菓子をやたら差し出す女の子達は怖いし、うかつに近寄ったらテティウスを壊してしまうのではないかと怖がっている男の子達には申し訳ない。
 そんなことを考えていたら、あの場にとどまり続けるのは無理だった。
 イヴェリアが眺めていたのは花壇だった。ケイトウ、キンギョソウ、パンジー等、様々な花が植えられている。

「どうしてかだんみてたの?」
「うちの花壇と違うなーと思って」

 イヴェリアは、今日は領地から来たそうだ。
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