まるっとおまけな人生だから、今度は好きに生きていいよねっ
第一章 生まれまして異世界
大陸の中央に位置するシルヴァリア王国は、大陸内でも有数の大国として知られている。
 現在の国王は、ダモクレス・シルヴァリウス。まだ三十代前半の若き王である。王妃のラチェリアとは十五年前に結婚。
 王太子である長男ゼファルス十二歳、次男アクィラ十一歳、双子である八歳のヘスティアとユスティナの王女。そして、末っ子である三男テティウス四歳。
 すくすくと育っている子供達に囲まれて、国の今後は安定だと思われた。
 ただ、ひとり、テティウスをのぞいては。
 今日も王宮の一角では、姉二人が末っ子を甘やかしていた。

「テティ、はい、あーんして」
「あーん」

 水色のドレスを着て、長いピンク色の髪を三つ編みにしたヘスティアの膝の上にいるテティウスは、大きく口を開いた。
 ふわふわの銀髪をきちんとととのえ、白いシャツに、オーバーオールのような上下一体型のズボン。白い靴下に茶色の靴。
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