まるっとおまけな人生だから、今度は好きに生きていいよねっ
 プリンの入った器を持っているのは、ヘスティアとそっくりなユスティナ。ユスティナと同じ形で黄色のドレスを身に着けている。ユスティナの髪型は、ハーフアップだ。
 家族以外で双子の区別がつく人はほとんどおらず、ヘスティアが青系、ユスティナが黄色系を身に着けることが多いために、髪型と服の色で区別をしているらしい。

「ユスねえさま、はーやーく」

 口を開けて待っているのに、プリンをすくったユスティナは、テティウスの口の前でスプーンを止めたまま。要求されて初めてスプーンを寄せてくれた。

「おいしい?」
「うん、おいち」

 つるんとプリンを呑み込んで、テティウスはにこりとする。それを見ていたら、ヘスティアとユスティナもにっこりとした。

(姉様達、いつまでこれを続けるつもりなんだろうな……)

 高橋優人、享年二十四歳。
 気が付いたら、異世界で王子様になっていましたとさ。
< 16 / 347 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop